経営会議事例集 平成19年2月


経営会議への質疑応答


経営会議について幾つかの質問を頂きました。質疑応答を簡単にまとめました。


 経営計画・経営会議等に関わると顧問先への経営責任が起きませんか?


 経営計画は顧問先が立て、私たち会計事務所はそのお手伝いをするのが原則です。それ以外に会計事務所が勝手に経営計画を作成できるわけがありません。

ついで、毎月の経営会議ですが、経営判断、意志決定もまた最終リスクを背負った経営陣がするのは当然のことです。しかし、倒産等した場合に、会計事務所に法的はともかく道義的に責任がないとは他の債権者は思いません。しかし、これは経営会議や経営計画、会計事務所と何の関係もなく自然的な感情ではないでしょうか?

倒産し、債権を回収しそこねた債権者から見れば、経営陣は当然として、何の責任もない社員や顧問税理士に何か言いたいのは当たり前です。倒産して何もしていなかったとう顧問税理士の方がよっぽど頭にきませんか?

そんなことにならないためにも顧問先に経営会議を導入し、赤字から倒産にならないよう経営陣に会社の常に予想決算を睨みながら経営をしていただくことです。顧問先が倒産しておいて自分に何の責任もないと考える税理士の方が(たぶんほとんどの税理士先生がそうですが)顧問先は迷惑ではないでしょうか?



 経営計画はなぜ顧問先に根付かないのですが?


 これも非常に多い質問ですが、私はそれが単なる経営計画だからだと思います。経営計画だけでは顧問先に絶対根付きません。それは経営計画を理解していないからではなく、経営計画だからです。年1回経営陣が必死に経営計画を作って会社の1年後の目標を立ててもそれが何になるのでしょうか。経営計画は実績と結合して意味があるのです。

経営計画が根付かない理由は大きく2つあると筆者は考えます。


(1)顧問先の経営計画の必要性が薄れる。特に費用対効果で。

会計事務所が顧問先の経営計画をサポートすると最低でも30万円程度、月10万円以上するとのことです。これは使用するソフトが非常に高額かつ少ない顧客しかいないからです。バブルならいざ知らずこのご時世に30万円以上も出して経営計画を作成してくれとい顧問先は一体何社あるのでしょう。また、経営計画は仮説ですから、最初はアバウト、何度も繰り返して初めて実態に近い経営計画が作成可能となります。ところがその効果も確かめる前に高額な報酬が言われるので誰もやりたがらないのです。

当社の【CLUE】は定価420,000円と破格の安さ、他のソフトの保守料で購入可能なソフトです。だから、自社でパソコン会計をしている顧問先に初めの1年は無料で経営計画を作成することも可能です。1年目無料で 毎月予算・実績管理、予想決算、予想・実績資金繰り表を翌監査日にでも経営者に見せ、経理+経営者で最初は経営会議らしきものを行ってください。とにかく経理だけではなく、経営者にも会ってもらう会計事務所になる必要があります。経営者にこのまま推移すれば、会社の売上、利益は、税金は、資金はどうなるのか等を、帳票を元に説明してあげることが一番大事なことです。2年目以降経営者の方が経営会議をしないと不安になります。2年目以降経営計画も経営会議もお金を頂けるようになります。無論 1年目からちゃんと報酬を得る会社がほとんどですが。要は経営者が何を求めているか、効果を確かめていただいて報酬を頂く仕組みを作ることです。


(2)経営計画は会計事務所の基本業務と関係なく、基本業務の巡回監査・記帳代行・決算申告が忙しいと職員がやれない、やりたがらない。

当たり前です。日常業務と結びつかず、報酬ももらえず、自分の給与にも関係なく、忙しくなるだけの経営計画支援業務は会計事務所の基本業務になりません。この点につき、多くの会 計事務所が挫折してきました。MAS業務は会計事務所に根付かないということは30年も前から言われているそうです。経営会議は違います。会計事務所の基本業務である月次監査・決算と経営計画が毎月結合するのです。そして月次監査担当と経営会議担当の2人体制、会計事務所とMS法人の2社体制で顧問先を指導することによって、会計事務所顧問報酬と経営会議実施報酬を頂ける仕組みを作ることです。更に付加価値を上げるには、定型業務外は1時間5,000円等の時間制報酬を入れることをおすすめします。何でも顧問料という会計事務所がありますが、費用対効果としての時間制報酬を一考ください。

経営会議を中心的に推進されているA事務所では、事務所パンフレットやホームペ−ジに報酬を明記されてます。

税務・会計・記帳顧問料 月1回

  46,666円
経営会議参加 2時間

42,000円
その他上記以外の業務 1時間 5,250円

経営会議実施企業から頂ける報酬は

顧問料

  46,666円×12月=559,992円
決算料

46,666円×6ヶ月=279,996円
経営会議 42,000円×12月=504,000円

経営計画作成料

     100,000円
年末調整・償却資産税等 100,000円

総合計 1,543,988円にもなります。会計報酬とMAS報酬の割合は、会計が6割 MASが4割となります。

業歴・年齢の高い・顧客と会話できるベテラン職員を中心に経営監査体制を組み、若い経験の浅い、顧客と会話の苦手な職員を中心に税務監査をシフトします。

付加価値の高い仕事、判断業務を経営監査メンバーが担い、高い給与に見合った経営監査業務をしてもらい、誰でも出来るようになる監査・決算・申告業務を若手中心に担っていく体制が会計事務所が経営会議を担って行く仕組みです。

最後に

(1)は顧問先の(2)会計事務所側の問題として経営計画はなぜ会計事務所業界で根付かないのかについて整理しました。

経営計画から経営会議に発展していくのではという会計事務所もありますが、それはありません。経営会議をするという前提がまずなければ経営計画作成はありませんというのが20年近くMAS業務を推進してきた筆者の経験です。経営会議実施企業で経営会議・経営計画をやめた会社は1社もないという実体験から来た確信です。


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