経営会議事例集 平成18年11月


こんな会社に経営会議は求められ、経営会議は始まります


こんな風に経営会議は始まります。

昨日当事務所の担当より、顧問先の社長が今後の事で私に相談したいとのことで顧問先に伺いました。

急激に事業を拡大され、数年前まで3億円程度の内装業者であったが、今期平成18年10月決算期には10億円規模になるとのこと。
社長は40代前半で、2010年には30億円規模の会社にしようと野心満々であり、早速今期の予想決算数値を見ながら来期13億円の売上達成に向けた年間経営計画の原案が示されました。

次に役員体制、経理・財務の現状の不満提示があり、当事務所の支援要請がありました。内容は、会社の急激な規模に比して人材面で人が育っていないとのことですが、これも踏まえて会社の現実であり、人材の育成も会社の成長であることがなかなか理解されず、ないものねだりの経営者が多いようです。問題は会社の現実に向き合い今必要とされている人材と分担、役割であり、これはまず経営陣の整備から実施しなければならないことを伝えました。

手順として、

 (1) 資金繰り、財務が最重要であり、これを検討する役員体制をつくる。
 (2) 次に損益管理まで責任をもつマネージャーメンバーによる営業会議を組織する。
 (3) 上記会議の決定事項を周知するための週1回の朝礼を実施する。
 (4) 経理・財務は上記会議の経営数値を報告する資料作成機能を持つ。

次に経理・財務のあり方について経営陣から現状帳簿付け程度しかできず不満を述べられました。これについて、経理の合理化、システム化のために

 (1) キャッシュレス経理…現金決済を減らし、法人カードの活用、仮払経費の月1回の給与に加算して振込み決済、自動引き落とし等で小口現金決済を極力減らす
 (2) パソコン経理の原始証憑からの処理。NO伝票経理の徹底
 (3) すべての業務のIT化…見積もり−実行予算−請求−入金−発注−支払

売上−仕入−現場別台帳作成−利益把握等が出来る一貫したコンピューター管理 を行います。これについては、最初から大きなシステムを考えるのではなく、安い市販ソフトを活用し、全員がコンピューター操作に慣れ、問題点を調査し、システム設計に十分時間をかけて進めることを助言しました。

また経理について、(1)簡素化(2)迅速(3)システム化を図ることを提案しました。

次に人材ですが、経理については現在の人材を育成することを原則に、人手不足については当事務所でも紹介することを伝えました。

次に10月決算に向けた予想決算数値の確認と決算に向けた問題点、仮払、貸付金の整理等を指摘し改善を求めました。

今後について、頂いた年間経営計画の原案から月次予算、資金繰り表を作成し、単年度損益計画、資金計画を作成し、実績数値を重ね合わせて経営会議、各種営業会議の提出資料を作成していくことを確認しました。

このように、会社の急激な規模の増大は、経営者に様々な不安を招き、経営管理の不備を痛感させます。必要な経営情報がすぐ手に入らず、経理は以前のように1月遅れの試算表作成で汲々しています。予想決算や予想資金繰り、経営上の危険信号や現場利益、収支等の営業上の経理情報は何も出てきません。こんなイライラが経営陣に多いのは当然です。私ども会計事務所にもそのような経理部長的な指導をしてほしいことを求められています。
経営会議システムはこのような顧問先への有益なツールなのです。


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