★売上1億円突破を目指す会計事務所の経営者・幹部のみなさまへ 売上1億円突破のための業績アップ実践レポート
一覧はこちら
第90回 売上3,000万円を超えたら考えるべきこと その1

 株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。

 弊社のお客様はほぼ100%、税理士事務所の方々ですが、数ヶ月に1度くらいのペースで管理職や営業マンを対象とした研修を頼まれます。特に9月・10月はその依頼が多く、土曜日からスケジュールが埋まってしまいます。

 業種的には、システム会社(会計系ではありません)が多いのですが、「システム会社の営業指導」は個人的にはとても好きです。なぜならば、「お客様の経営課題を、自らの持つノウハウ・スキルで解決する」というシステム会社の仕事は、私自身の仕事は勿論、会計事務所の仕事とも類似性が高く、とてもイメージし易いからです。

 今、営業の世界は業種に関係なく、「モノではなくコトを売る」、「コトを解決しながらモノを売る」という売り方にシフトしていますが、会計事務所もまさに、モノ(申告&記帳)ではなく、コト(課題解決)を売る時代になってきましたね。

 それでは、今回も元気に行ってみましょう。


■売上3,000万円を超えたら考えるべきこと その1

 ここ数ヶ月、会計事務所支援の現場で感じた雑感や、今後の会計事務所の方向性について書いてきましたが、久しぶりに連載モノで書いてみたいと思います。

 今回は「売上3,000万円を超えたら考えるべきこと その1.明確な目標を設定する」について書いてみたいと思います。

 最近、売上3,000万円前後の先生からの相談が大変多いのですが、どの先生も相談時に、異口同音におっしゃるのが「今のままでも何とか食べて行けるとは思うのですが、できれば事務所を大きくしたいので相談に来ました」という言葉です。

 私はこの言葉にいつもすごい違和感を覚えるのですが、それは「この方々は何を根拠に今のままでも何とか食べて行けるとは思う」と思うのか?ということです。

 私のご支援先の先生方や勉強会会員の先生方の多くは「今のお客様が数年後、何割残っているかわからないし、残っていても何割うちのお客様でいてくれるかわからない。ましては、税理士という仕事が成り立つかどうかすらわからない」とおしゃっているので、えらく温度差を感じますが、来る先生、来る先生のほとんどがみな、そうおっしゃるということは、それが共通認識なのでしょう。

 私が推察するに、「今のままでも何とか食べて行けるとは思う」とおっしゃる先生方は、もし売上が減少したら、今いるスタッフの退職に合わせて補充しなければ、家族で食べるくらいは何とかなるだろう、ということだと思いますが、とてもそれでは事務所を大きくできるとは思えませんし、事務所の存続すら危ぶまれるでしょう。

 例えば、今から10年前であれば、まだ業界も良かったので、前だけ向いて頑張っていれば、自然とお客様が年数件は増え、明るい見通しも描けたことと思いますが、今の会計業界は、いわゆる下りのエスカレータに乗っているようなものですから、必死に駆け上がらなければ生き残れない時代です。

 そう考えますと、「自ら目標を設定し、決めたからには何が何でもやる」という状態でなければ、先を行く先輩方(年齢に関係なく)に追いつくことはできないと思います。

 もし、本気で事業の拡大を考えるならば、是非、「何とかなるだろう」という根拠のない見通しは捨て、まずは自らが本気になれる明確な目標を設定することが必要だと思います。