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第89回 「高付加価値化」は税理士の強みを活かせるフィールドで

 株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。

 先月後半から、東日本は大変涼しく、そして雨ばかりです。暑いのは暑いで困りますが、急に涼しくなってしまうと、それはそれで寂しい感じもします。あまり急激な変化は、我々の体調管理もそうですが、皆様のお客様、特に衣料品や飲食関係の方の方には、売上面の影響も大きいので困りますね。それも経営のうちなのかも知れませんが、あまりに急激な変化は、対応が大変ですね。

 それでは、今回も元気に行ってみましょう。


■「高付加価値化」は税理士の強みを活かせるフィールドで

 前回は「高付加価値化の最初の1歩は、自分の価値を見つけること」を書きました。今回は、「高付加価値化」は税理士の強みを活かせるフィールドでについて書きたいと思います。

 最近、会計事務所業界に対する「高付加価値化」の提案が増えましたね。

 マクロに見れば、方向はそうだろうと思いますし、様々な方々が、自らの主義主張を論じるのは良いことではないかと思っております。ただ、最近少しばかり気になっているのは、「税務・会計はもう駄目だから、税理士はコンサルタントになりましょう」的な論調は、私とは見解が違うようなので、私の見解を申し上げさせていただきます。

1. 「税務・会計」に対しては、経済的価値は低下するが、業務自体が今すぐなくなる訳ではない

2. 「税務・会計」を通じて、お客様の売上やお金のデータを預かれるのは、税理士の最大のメリットである

3. お客様の税理士に対する認識は「簡単な経営相談もできる『税金とお金のプロ』」である(期待も含む)

4. 経営相談は、「経営に関する会話ができるレベル」が求められるのであって、一定レベル以上は専門家に委ねるべきである

5. 故に、税理士の業務の方向としては、税務・会計に軸足をおいた高付加価値化である

と考えております。

 確かに、税理士の皆様や幹部のみなさまで、経営に対する興味・関心が強い方であれば、「経営コンサルタント」として活動することも可能かもしれませんし、それを志向したい気持ちもあることでしょう。

 しかしながら、小規模事務所の先生が「自分だけ食って行くために個人コンサルをやる」というのであればともかく、それなりの人数の職員さんを抱えた会計事務所が「今後の事務所経営をどうするか?」というレベルで考えた場合に、「職員の方々とコンサルタントを目指す」というのは、あまりにも再現性がなく、現実的ではないと思います。

 「コンサルタント」とか「高付加価値化」という言葉は、元々定義があいまいな言葉なので、どこまでも拡大解釈できますが、だからこそ、ご自身の軸をしっかり持って、イメージ先行で走らないようにしたいですね。