★売上1億円突破を目指す会計事務所の経営者・幹部のみなさまへ 売上1億円突破のための業績アップ実践レポート
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第78回 売上1億円を超えられる人と超えられない人の特徴 その4

 株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。

 先生も職員のみなさまも、確定申告大変お疲れさまでした。

 さて、会計事務所の先生方は職人的気質の方が多いので、読者の方々の中にも「現場が好き」という先生もいらっしゃることでしょう。自らの持つ専門的な知識を提供することで、お客様に喜んでいただけるのですから、そう思われるのは当然ですし、素晴らしいことです。

 ただ、もしこれから1億円突破の事務所を目指すということであれば、「いつまでも現場でお客様と関わっていれば幸せ」という感情は一旦棚上げしなくてはなりません。

 なぜならば、経営者は、目の前のお客様から直接「ありがとう」と言われることに喜びを感じる存在ではなく、自らが作り上げた事業に、お客様が「ありがとう」と言って下さることに喜びを感じる存在でなくてはならないからです。

 「現場が好き」ということを「事業を仕組化できない言い訳」にしてはいけないということです。


■売上1億円の壁を越えられない人の特徴 その4

 前回は、テーマを変えて「会計事務所業界が求人難を解決する究極の対応とは」について書きました。今回は売上1億円の壁を越えられない人の特徴 その4として「売上ありきで業務を組み立てている」について書きたいと思います。

 このレポートをお読みの方々は、事業意欲が高い方が多いと思いますので、常に「今期の売上を上げるために、今期は○○と××の分野を立ち上げて、それが済んだら、来期に向けて△△の分野も立ち上げて・・・」と考えられていらっしゃることでしょう。

 とても事業意欲が旺盛で、素晴らしいこととは思いますが、持続的発展という観点で考えた場合、私は2点ほどお尋してみたいと思います。

1.新しいことにチャレンジされるのは結構ですが、結局先生は何がしたいのですか?
2. 新しい事業・分野を始める意義を、職員の方々はどのように理解されているのでしょうか?

 事業を長期継続的に発展させるには、「常に新たなマーケットを創造して、売上を確保すること」は不可欠なことです。ですから、新たな取り組みをされることは決して間違いではありません。

 ただ、売上ありきで事業を組み立てている事務所を拝見すると、

1.本業の見通しが立たない不安から焦燥感にかられ、つい新たな分野に手を出す
2.その結果、事業自体が「寄せ集め」となってしまい
3.自分でも一体何をやっているのかわからないので、事業に誇りを持てなくなる

という悪循環にはまっている方が多いようです。

 そして、先生がよくわからず事業を拡大している訳ですから、職員の方にも「事業の目的」を説明できず、説明できないから組織と事業に「求心力」も働かず、人が入っては辞め、辞めては入りを繰り返し、いつになっても大きくなれない、という状態に陥るのです。

 ですから、やはり順序としては、「この事業を通じて、社会に対してこのように貢献したい」という思いがまずあって、その思いを実現したいと真剣に思うことで、やるべきこと・やらねばならないことが見え、その結果、周辺業務の拡大とともに事業が発展するのだと思います。

 何度もしつこく申し上げますが、もし読者のみなさまが、1億とは言わずとも、売上7,000万円から上を目指すなら、まず最初に先生が、自らの事業観を固めることをお奨めします。