★売上1億円突破を目指す会計事務所の経営者・幹部のみなさまへ 売上1億円突破のための業績アップ実践レポート
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第76回 売上1億円を超えられる人と超えられない人の特徴 その3

 株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。

 先日、某団体の某支部で講演をして参りました。事前打ち合わせの際の先方の要望は、「これから5年後の東京オリンピックに向けて、浮揚する景気の波に乗り遅れないために、会計事務所がすべきことを教えて欲しい」とのことだったのですが、私にはあまりそういう発想が無かったので、「東京オリンピックの後に備えての話ならお話できますが良いですか?」と確認させていただき、お話させていただきました。

 結果は、多少危機感のある若手の方々には響いたと思いますが、予め予想していた通り、ご年配の先生方には面白くなかったようで、年齢的に60歳ちょっとの、中規模の事務所を経営されているある先生は講演後、わざわざ私のところに寄って来て、「あなたの話はくだらない。我々は5年先10年先を生きているのではなく、今、この現実を生きているんだ。この瞬間、この瞬間を環境に適応させた先に未来があるのであって、5年先10年先から考えるなどというのは理屈に過ぎない。私はあなたの話を聞いて、シラケてしまった」とのご意見を述べられました。

 人によって、いろいろな考えがあると思いますので、私もそれはそれとして尊重しますが、その方も「大切な顧問先様に経営アドバイスを行う立場」であるならば、もう少し時間軸の長い、見通しのある考えをするべきではないかと私は思いました。


■売上1億円を超えられる人と超えられない人の特徴 その3

 前回は、売上1億円の壁を越えられない人の特徴 その2.として、「事務所のメインターゲットを決めていない」を挙げました。今回はその3.「目標はあってもビジョンがない」です。

 このレポートを読んで下さっている皆様は、非常に意識の高い方が多いので、恐らくしっかりとした目標を持たれていることと思います。

 例えば、来年は売上7,000万円にしたいとか、3年後には売上1億円を突破したいとか、10年後には売上3億円、30人の事務所にしたい、といった具体的数値目標を掲げ、それに向けて手立てを講じていることでしょう。

 ただ、売上1億円突破の事務所を目指すならばそれだけではいけません。

 なぜならば、売上1億円を突破するにはおよそ7〜10名強といった多様な価値観を持った社員を束ねなければいけないからです。

 では、どうしたら、多様な価値観を持った社員を束ねられるかというと、それが、前々回お伝えした理念=使命と、今回お伝えするビジョンです。

 具体的に申し上げますと、「3年後売上1億円の事務所にするぞ!」と声高に叫んでみても、職員の方々にすれば「それは、所詮、先生が目指しているだけでしょ!」と思うのが普通ですし、「あと今期の目標達成まで3,000万円だ、頑張れ!」と発破をかけたところで、「なぜこの仕事をするのか?」という理念が共有されていなかったら、疲れて職員が疲弊するか、やらせ過ぎれば辞めるかのどちらかだからです。

 つまり、「3年後売上1億円を突破するぞ」ではなく、3年後、売上1億円を突破したら、職員や事務所がどうなっていて、3億円になったらどうなっていて、という「将来の見通し=ビジョン」を共有できていないと、多様な価値観の方々を束ねることができないのです。

 ですから、ホームページを1つ立ち上げて売上が+〇百万、もう一つ作って+〇百万… ということを繰り返しても、職員の離職 → 採用 → 離職を繰り返すだけで、売上1億円を突破する事務所にはなれないのです。

 是非、経営理念=使命とビジョンを職員の方々と共有いたしましょう。