★売上1億円突破を目指す会計事務所の経営者・幹部のみなさまへ 売上1億円突破のための業績アップ実践レポート
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第75回 売上1億円を超えられる人と超えられない人の特徴 その2

 株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。

 先日、読売新聞の朝刊に、「需要の減退とペットボトルのお茶の浸透で苦境に立たされた静岡のお茶業界が、需要創造に向けてお茶を使った料理の開発などに積極的に取り組んでいる」という趣旨の記事が掲載されていました。

 これを読んで、大谷個人として感じたのは、「尊いことではあるが、抜本的な解決にはならないだろうなあ」ということです。

 では、私には何ができるだろうか? と考えてみたのですが、結論は「個々の農家や店舗を救うことはできても、業界全体を救うことは難しい」ということでした。

 藻谷浩介氏の著書「里山資本主義」にも、「中国山地の山の中の木材加工会社が、燃料用ペレットを開発して成功し、それが地域のムーブメントとなって新たな活路が見出された」という話が書かれていましたが、基本的には「個々の企業の創意工夫が現状を打破し、その動きが全体を変えて行く」というのが正しい順番だと思います。

 これからは、会計事務所業界も、今まで以上に個々の事務所の力を強めて行くことが必要なのではないでしょうか?


■売上1億円を超えられる人と超えられない人の特徴 その2

 前回は、売上1億円の壁を越えられない人の特徴 その1として「税理士として、自分が何を実現したいのかが不明確」を挙げました。

 今回はその2.「事務所のメインターゲットを決めていない」です。

 どんな業界でも、マーケティングに着手する際には、

1.自分のお客様は一体誰で
2.そのお客様は何に困っていて
3.そのために自分たちはどんな貢献ができるか?

を決めることが肝心であると思いますが、会計事務所の多くは、未だに、ターゲット顧客を明確にしていないようです。

 と、そんなことをお伝えすると、「そんなこと言っても、特定の客だけじゃ、事務所の売上が確保できませんよ」という反論が聞こえて来そうですね。

 確かにそれも一理あると思います。

 ただ、だからと言ってターゲットを決めないで漠然と動くのと、ターゲットを決めて、ニーズに合った商品を開発し、計画的に顧客獲得を行うのでは、その後の事務所戦略が全く異なってきます。

 もちろん、規模の大きな事務所やマーケットの小さい地方都市では、特定のターゲットだけでは事務所運営が難しいでしょうけど、その場合は「ターゲットを決めない」のではなく、「複数のターゲットを設定」すれば良い訳です。

 いろいろなところから、様々な成功事例のDMが送られてくると「あれもやらねば、これもやらねば」とつい目移りしてしまう方も多いかと思いますが、それは、前回お伝えしました「自分は誰のために何のためになぜ税理士をしているのか?」が不明確だから、自分の顧客が誰かもわからず、ふらふらしているということなのです。

 前回と今回はとても大事なことなので、しっかり考えてみて下さい。