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第73回 相続税マーケットも「決算申告」と同じ運命をたどるのか?

 株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。

 みなさま、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 このレポートの読者のみなさまは、ワーカーホリック的に、いつも仕事をしていらっしゃる方が多いようなので、年末年始は海外や国内に旅行に行くなどして「強制的に休むようにしている」という方も多いことでしょうね。


■相続税マーケットも「決算申告」と同じ運命をたどるのか?

 本日から、業界待望の「相続税の改正」ですね。この日を心待ちにしていた方々も多いことでしょう。

 しかしながら、私は相続税マーケットも、ターゲット設定と対応を誤ると「決して幸せにはなれない」と思っています。

 と申しますのは、今回、課税対象者として増加が予測されるのは「自宅+金融資産」や「自宅以外に土地を持っている」普通の人が中心ですよね。

 そうしますと、当然予測されるのは、

1.WEBで「相続税申告」を請け負ってくれる税理士を探す人が増える
2.自身に顧客を引っ張りたい税理士が「より低価格」で申告を訴求し始める
3.課税対象者も、何の事前準備もしていないので、駆け込み・期限後申告が増える

といった現象です。

 まさに「決算申告マーケット」と一緒、ということです。

 更に、相続税申告の場合は、その性格上、「相続税申告に不慣れな税理士」による申告の増加を見越した「還付申告専門の税理士」の増加も予想されます。

 ですから、なんとなく相続が儲かりそうだから・・・という理由で始めると「リスクは高いけれども、価格競争に陥って儲からない」となる可能性も高いと思っております。

 では、この環境をどう判断すべきかということですが、基本的には、

1.価格競争は避けられないので、「低価格」でも提供できる専門の商品をつくる
2.相続税申告に関連する各種サービスで、一件あたりの単価を確保する
3.「低価格」でも一定レベルの品質が保てるよう、「オペレーションの仕組み」をつくる
4.「難易度が高くても、それに見合った報酬をいただけるお客様」にターゲットを絞る
5.「相続税はあまり得意ではない」と思う方は、この際、周囲に惑わされずに手を出さない

という5つが考えられます。

 しかしながら、「マーケットがコモディティ化(一般化・普及化)すると、価格競争に突入し、利益を得ることができずに体力勝負になる」という原理原則から考えますと、大規模事務所と違い「低価格で供給しても利益を生む仕組みを持ちにくい中小の事務所」は「自らの専門性を高め、高付加価値業務に舵を切る」ことが進むべく道であると思います。

 是非、今後の事務所戦略を見つめ直してみて下さい。