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第68回 ネットワークの構築は「できること」を明確にすることから

 株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。

 2週連続で台風が日本を縦断しましたね。読者の皆様、及び関係者の方々に被害がないことを願っております。

 私は一週前の台風の時は新幹線が止まって移動できませんでした。仕事柄、全国を行ったり来たりすることが多いので、この時期と雪のシーズンはとても気を遣います。天候が相手なだけに難しいですね。


■ネットワークの構築は「できること」を明確にすることから

 前回は「リアルなネットワークの構築の重要性」について述べました。今回は、ネットワークの構築は「できること」を明確にすることからについて書きたいと思います。

 先日、私のご支援先様に行きましたら、所長が「この前、都市銀行から紹介をもらって、うちで経営計画を作成したら、行員さんがね、『税理士さんでもしっかりした経営計画を作れるのですね』と言うのですよ。これを聞いて、随分税理士もなめられたものだなあ、と思いましたね」とおっしゃいました。

 私もそれを聞いて「何かひどい言われようですね」と答えましたが、銀行員から見て、役に立たない計画書しか作れない税理士さんもたくさんいて、だからこそ、良い仕事をする事務所に仕事が集まってくるということも、また事実なのだろうなと思いました。

 では、なぜそのご支援先様には案件が流れて来るのかと言えば、それは、

・自ら銀行にアプローチして
・「うちの事務所はこれができます」と表明し、
・実際に良い仕事をして、評価されているからです。

 と言いますと、気が早い方の中には「そうか、やっぱり自分からアプローチしなければ駄目なんだ」とお思いの方もいらっしゃるかも知れませんが、ポイントはそこではなく、大事なことは訪問前に「うちの事務所はこれができます」と言えるものを明確にしているというところです。

 私は以前からそれを「事務所にエッジを立てる」と言っていますが、なぜ、多くの税理士事務所にはエッジがないのかと言いますと、それは「教わったことを教える職業」だからです。

 要するに、税理士資格を取得するために教わったこと、その後の改正で決まったことを教えている、簡単に言えば、「元が同じもの」を教えているのですから、差が出ないのは当たり前で、むしろあったら困るのです。

 だからこそ、多くの税理士事務所には特徴がなく、差別化できず、価格競争に陥っているという訳なのです。

 ではどうしたら良いかと言うことですが、先程、私は「税理士は教わったことを教える職業だから差が出ない」と少々失礼な言い方をしましたが、実態は、塾の先生ではないので、教わったことをただ教えているだけということはないはずで、現場で培った様々なノウハウを駆使してお客様のお役に立っているのだと思います。

 ただ、ご本人がそれを事務所の「特徴」として認識していないので、他の事務所と比べて差がないと思っているのでしょう。

 だからこそ、今すぐすべきことは、みなさまが現場で培ったこと = 実務ノウハウ を体系化して、事務所の特徴を特徴として認識し、いつでも取り出し、他人に説明できるようにしておくということなのです。

 だいぶ前に読んだ本ではありますが、かの本田宗一郎氏が自らの半生を描いた本のタイトルも「得手に帆をあげて」(三笠書房)となっています。

 やはり、得手に帆をあげなければ誰も近づいては来ないのではないでしょうか?