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第61回 これといって特徴がない「その他大勢事務所」の特徴 その2

 株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。

 いよいよ7月、今年の折り返しですね。サッカーと違って、経営にはアディショナルタイム(ロスタイム)がないので、残りの日々を計画的に過ごさないと、あっと言う間に終わってしまいます。

 年初に「今年の目標」を立てた方も多いと思いますが、しっかりやり切って、悔いのない2014年にしたいものです。

 それでは、今回も元気に行ってみましょう。


■これといって特徴がない「その他大勢事務所」の特徴 その2

 前回、「税理士の○○です」と言ったとたんに横並び、という話をしました。今回は、「その他大勢事務所」の特徴その2「事務所に哲学がないので、常にお客様の言いなりである」です。

 さすがに、このレポートをお読みの先生ご自身が、「お客様の言いなり」だとは申しませんが、事務所全体で考えると、結構当てはまる事務所は多いようです。

 例えば、もし監査担当者の方が顧問先の社長から、「今期は利益が出そうだけど、何とか黒ギリギリにしてよ!」と頼まれたら、担当者の方は一体何と答えると思いますか?

 ちょっと想像してみて下さい。

 税法上問題ないことが前提ではありますが、恐らく、「まあ、今期は結構利益がでそうなので、『黒ギリギリ』まで行くかどうかわかりませんが、できるだけのことはやって、何とか努力してみましょう」と答えるのではないでしょうか?

 「えっ、それの何が悪いの? 税金を少なくするのは我々の当然の役割でしょう?」と思われた方も多いと思いますが、みなさんの場合はいかがですか?

 事務所によって様々な考え方があるとは思いますが、もし上記のやりとりに違和感を感じないとするならば、私はそれ自体が問題だと思っています。

 なぜならば、そこに「事務所の哲学が感じられない」からです。

 人によって様々な価値観があると思いますので、全ての方にご賛同いただけるとは思っておりませんが、みなさまが税理士のお仕事をされているのは、本質的には、「自らの持つ専門知識を介して、中小企業の経営者の方々の役に立ち、その会社の経営を守りたい」というような思いからなのではないでしょうか?

 「いや、別に自分の事務所が儲かればいいんだよ」とか、「俺はそんなことより、金持ちになるためにこの商売を始めたんだよ」という方もいらっしゃるかもしれませんが、そういう方は、残念ながら私とは考え方が違うということで、ご容赦いただければと思います。

 で、話を元に戻しますが、もし、私の申し上げている趣旨をご理解いただけるならば、、適切な節税対策はしっかりと行った上で、「社長、社長はあと何年この事業を続けられるおつもりですか? 当然、暫くは継続されるおつもりですよね。であるならば、利益が出そうな今期こそ、税金をしっかり払ってでも、しっかりと内部留保をし、売上の3か月分を目標に、キャッシュを貯めてゆくようにしましょうよ」というのが、哲学のある事務所の指導なのではないでしょうか?

 そして、そういう日々の指導が信頼となり、経営者がお客様に、「うちがお世話になっている〇〇先生はいいよ」とご紹介下さるのではないでしょうか?

 大変きつい言い方をするようで申し訳ないですが、お客様の求めることをただするだけなら「業者」と一緒です。

 ところが、みなさまのご職業の場合、お客様が「先生」と言って下さるので、仮に自らの実態が「業者」になっていたとしても、なかなかそのことには気づかないものです。

 今回は、「節税対策」を例に話をいたしましたが、基本的には事務所の「哲学」というべき基本的な考え方がしっかりしていませんと、「ただお客様の言うことをするだけ」の事務所になってしまいます。

 そして、その結果、「別に〇〇先生でも××先生でもやることは一緒なのだから、だったら安いところがいいよね」と思われることでしょう。

 みなさまの事務所は「事務所としての哲学」、持っていますか?