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第48回 所長が職員に「働く目的」を示さねばならないその理由とは?
(後編)

 株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。

 このレポートも、年内は今回が最後になりました。今年も余すところあと2週間、早いものです。

 年末のお休みを利用して、来年の計画を立てられる方も多いと思いますが、ご自宅で静かに作ったり、どこかに泊まって集中して作ったり、合宿形式で作ったりとそのやり方はさまざまですが、「計画を立てる」ということはとても大事なことですね。

 私は計画を立てる際に気にかけていることは、「計画を立てながらおもわずニヤニヤできるかどうか」ということです。

 計画表を見ながら一人ニヤニヤする訳ですから「傍から見れば気持ち悪い」光景ですが、計画段階でそのくらいイメージができないと、ワクワクして取り組めないように思います。

 厳しい環境下なので「将来を描きにくい」と思われる方も多いかと思いますが、ここは辛抱して描く努力をしてみましょう。


■所長が職員に「働く目的」を示さねばならないその理由とは?(後編)

 前回、税理士になることを目的にしている職員の方は、「税理士になることが目的」なので、仕事そのものが「働く目的」になっていない傾向が強い。

 あるいは、事情で税理士試験を諦めた方は、今まであった「目的」を見失ってしまったことにより、働く目的が「生活のため=お金のため」にすり替わってしまっている傾向にある、と述べました。

 では一体どうしたら、仕事に目的を持って、本気で打ち込んでもらえるのでしょうか?

 それは所長が「働く目的を明確に示す」ということです。

 例えば、このレポートをお読みの所長先生は、常にお客様のことを考え、良いサービス、良い品質を提供したいと日夜お考えのことと思います。

 しかしながら、職員の方々は違います。

 受験中の方であれば、「お客様のために+αのことをすれば、勤務時間が延びて勉強する時間がなくなる」と考えるものですし、受験を断念した方であれば、「お客様のために+αのことをすればお客様は喜ぶかも知れないけれど、自分の仕事は増える一方で、別に給料が増える訳でもないし割に合わないよ」と考えるのが普通です。

 「えっ? そんな寂しいことを言わないでくれよ!」

と所長先生は思うかも知れませんが、むしろ日夜お客様や仕事のことを考えている所長先生の方が職員の方からしたら不思議です。

 なぜなら、所長ご自身は当たり前過ぎて意識をしたことがないかも知れませんが、所長先生が日夜お客様や仕事のことを考えているのは、「お客様に喜んでいただくことが事務所の発展につながり、職員の方々の幸せにもつながり、ひいてはご自身の年収・報酬の増加になる」というような、一気通貫の状態になっているからなのです。

 しかながら。職員の方々はそうなっていませんし、そう考えていませんから、所長先生と職員の方々が同じ屋根の下で働きながら、違う目的に向かって仕事をしているという状況は起こる訳です。

 ですから、そこは、所長先生が、「税理士試験に受かる」とか「生活費を稼ぐ」ということを目的にせず、「お客様や社会の役に立つことが仕事の目的である」ということを明確に示さなければいけませんし、浸透するまで伝え続けなければいけないということです。

 参考までに「働く目的って聞かれても困るなあ」という方向けに申し上げますと、私個人としては、生きる目的とは「人の役に立つこと」であり、働く目的とは「お客様に喜んでもらうこと」であり、「従業員(部下)や家族を物心ともに豊かにすること」であると解釈しております。

 是非、来年に向けて、

1.明確な仕事の目的
2.事務所におけるキャリアプラン
3.透明性のある評価の仕組み

を整備し、一体化した事務所経営をしたいものです。

 最後になりますが、本年も大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。では、また来年お目にかかりましょう。