株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。 先日、某県の「土地家屋調査士会」で講演をしてきました。300名以上の方にお集まりいただき、大盛況でした。 ただ、今回の講演に向けて、「土地家屋調査士事務所がとるべきマーケティング戦略」という内容で、私なりに時間をかけてテキストを作成し、念のため、事前に協会本部に送ったところ、私のテキストを部会で検討されたようで、翌々日に係の方からご連絡を頂戴しました。 趣旨は、 「協会には倫理規定があるので、『営業』とか『開拓』という言葉は使わず、別の表現にして欲しい。」 「WEBを使った顧客獲得法は、倫理規定の『誇大広告・不当誘致』に該当する恐れがあるので、土地家屋調査士向けではなく他士業の事例にして欲しい」 とのことでした。 そういえば、7年ほど前に税理士会のある支部に「講演の依頼」に行った時、「マーケティングに関する講演は他人のお客様を取った取られたという話だから会としては主催できません」と言われたのを思い出します。 そういう意味では、税理士業界は7年経って、多少緩やかになっているようですね。 ■顧客とのリレーションを切らさないことが最良のマーケテイング 政府報道ではしきりに景気浮揚を報じておりますが、大局的にはまだまだ景気は低調で、デフレを脱却できていないことに変わりありません。 つまりは、マーケットは横ばいか、縮小状態であるということです。 ところで、税理士業界では「WEBを使って顧問先○○件獲得!」という手法が依然もてはやされていますが、このビジネスモデルは、 1.ある一定以上の新設法人の設立件数があること 2.新設法人も含め、開業後3年以内前後の法人数が一定レベルあること 3.法人数も税理士数もある一定以上いて、税理士顧問が流動化していること つまりは「マーケットが拡大していること・活況であること」が前提となっています。 ですから、法人数がなんだかんだ言っても増えている都市部か、開業意欲が旺盛で、設立件数が増えている業種には有効ですが、他のエリア・業種には必ずしも当てはまらないということになります。 では、税理士数も法人数も限られる地方都市ではどうしたら良いのでしょうか? それは、一度関係をつくった方々(顧問先かどうかにかかわらず)との関係を切らさない、ということです。 今、多くの法人が、顧問料が高い安い、サービスレベルが良い悪いを理由に、税理士を切り替え始めていることは、みなさまも肌感覚で理解されていると思いますが、そのこと自体は都心部でも地方都市でも同じです。 ただ違うのは、都市部の場合は税理士も法人も数が多すぎてお互い想像がつかないので、やむなくWEBや紹介会社等を活用して探すのに対し、地方都市の場合、「それなりの規模の会社」は「自分と釣り合いのとれた税理士事務所」を知人・友人・金融機関など、情報を持っているであろう方に声をかけてそこから紹介を得ようとします。 ですから、マーケティングの観点では、いつ、誰が「うちの会社では付き合っていないけれど、○○先生なら知っているよ。一度聞いてみようか?」と声をかけてくれる状況を作っておくことが肝心となります。 マーケットが縮小するということは「限られたパイの中で商売を続ける」ということですから、とにかく悪い評判を立てず、関係を切らさず、それこそ一度解約になったお客様でさえもいつかは戻って来てもらうくらいの感覚で、絶対に関係を切らさないような工夫をしなければいけません。 |