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第38回 事務所拡大に向けて事業戦略を再構築する その6

 株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。

 1年半ほど前に、ダイナブックのウルトラブックを買ったのですが、初期モデルだったせいか、最初から調子が悪く、買って1か月でマザーボードを交換するなど不調でした。

 その後もあまり調子が良くなく、最近ではシャットダウンがスムーズにできない、ファイルの読み込みがうまくできない、USBポートが反応しないなど、末期症状かと思われる現象が頻発していましたので、昨日、やむなく、わずか1年半で新たなノートPCを買ってきました。

 それにしても、今回のPCに限らず最近の家電製品をはじめとした各種製品は、昔と比べて格段に安くはなりましたが壊れやすくなりましたね。

 以前の日本製品は「安くて壊れない」という信頼性が差別化要因だったと思うのですが、今は「安いから壊れても仕方ない」という感じの製品が多くなったような気がします。

 価格が安くなったから、作り手も製品に魂を込めなくなり、品質も悪くなる。だから買い手も製品に期待をしなくなり、愛着も持たなくなる、そんな負の循環に陥っているかのようですね。

 私は、会計事務所も含め、価値あるサービスを、価値のわかる方に提供し、適切な報酬をいただいてみんなが潤うような社会を実現したいと思っております。


■事務所拡大に向けて事業戦略を再構築する その6

 前回は「会計事務所の商品」について書きました。今回は会計事務所の顧客獲得について触れてみます。

 これから事務所を拡大して行こうというやる気のある先生方は、顧問先もまだ少なく、また、金融機関をはじめ各種団体や組織との関係性も弱いため、WEBサイトや紹介会社を利用して顧客獲得をされていると思います。

 読者のみなさまはいかがでしょうか?

 ただ、WEB経由や紹介会社経由のお客様は、

1.価格に敏感で
2.継続率が低く(高い廃業率と、より安い事務所への移動が多い)
3.税理士に対するリスペクト(尊敬の念)がうすい

など、正直、「あまりお付き合いしたくないなあ」と思う方も多いことと思います。

 また、WEB広告の反響率も年々低下し、高い広告コストを回収するのも、なかなか大変になってきたのではないかと思います。

 では、なぜWEB広告の採算が合いにくくなってしまったかと言いますと、

1. 「検索」という行為が、スマホの普及等もあってより一般化し、「調べて→頼む」という感覚から、気楽に「ひとまず調べる」というように、検索数全体における「本気度の高いお客様の割合」が年々下がってきている。

2. キーワード広告は入札制ですから、検索数の増加に伴って「クリック単価」が高額化し、低予算では上位表示が難しくなってきている。

3. にもかかわらず、競合が増加し、お客様自身の購買行動も、より「比較購買」に近づいてきているので、クリックされても成約しにくくなってきている。

ということなのです。

 ですからもはや、「キーワード広告やSEO対策で上位に表示させれば受注できる時代ではなくなってしまった」という事実を認識しなければいけません。

 そうすると、会計事務所が考えるべきことも、SEO業者やWEBマーケティング業者の口車に載って「検索エンジンで上位表示させること」ではなく、

1.他の事務所と比較されても差別化できる本質的なサービスを提供する。

2. 「事務所名を変えれば他の事務所でもそのまま通用するようなサイト」ではなくWEBサイト上でいかにリアルに自社のサービスや考え方を表現するか?

という、より高次・本質的なものになってきたということでしょう。

 なかなか厳しいですね。

 そこで私は、WEBマーケティング自体は継続するものの、顧客獲得におけるウェイトを年々下げ、「税理士の価値を認め、必要性を感じてくれる良いお客様」にアプローチする手法の開発に取り組んでいます。

 その筆頭はやはり「セミナー」です。

 なぜかと言うと、

1. 意識が高い経営者は勉強好きで、そうでない経営者は勉強嫌いでセミナーに出ないため、セミナー参加者は優良顧客である可能性が高い。

2. セミナーに参加されるお客様は、セミナーの内容に関して悩まれていて、その解決策を求めて参加されているので、税理士に対して高いロイヤリティを持っている。

3. セミナーは、企画と日程さえ決めてしまえば、職員の方々中心に、計画的に実施できる数少ない顧客獲得の仕組みであるからです。

 そうは言うものの、人的資源の乏しい事務所はなかなか開催しにくいため、相変わらず手がかからないWEB中心の獲得に走り、価格競争に陥ってしまう。

 対して、計画的にセミナーを実施している事務所に優良顧客が集中し、更に差が開く、という二極化がますます加速しているようです。

 読者のみなさまには、上記内容をご理解いただき、1日も早く、新たな一歩を踏み出していただきたいと思っております。