★売上1億円突破を目指す会計事務所の経営者・幹部のみなさまへ 売上1億円突破のための業績アップ実践レポート
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第28回 会計事務所が今やるべきこと その2

 株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。

 先日、以前お付き合いしていた先生からお電話を頂戴し、数年ぶりにお目にかかって参りました。

 その先生は私がお手伝いしていた当時、相続サイトを立ち上げて来所が増えたのと、事務所業績が順調なため、都内の「主要ターミナル駅から3駅先の駅前」から、「主要ターミナル駅から徒歩5分の表通りに面した角地」に移転しました。

 お話ししながら、「そういえば二人で一緒に駅周辺を歩きながら物件を探したなあ」などと懐かしんでおりましたら、先生より、移転してから、

「相続に強い事務所で、且つ駅前にあること」を理由に、大手住宅販売会社の担当営業が挨拶に来られ、相続セミナーの講師を頼まれた。

(評判が良かったため)近隣の営業所でも講演を多数依頼されるようになり、今、セミナー&講演で忙しくなった。

・定期的に入れている紙媒体やWEB広告の反響が、知名度向上に伴い上がった。

・かねて一緒に開拓した葬儀社からの紹介案件が増えた。

・新規のお客様に場所を言うとすぐわかっていただけるようになった。

との大変うれしいご報告をいただきました。

 私も以前は「立地移転は大きな投資なので提案を躊躇していた」のですが、この先生の「移転なんて要するに引越せばいいだけだものね」の一言に吹っ切れ、今では必要かつ効果があると思えば、躊躇なく「移転を提案」できるようになりました。

 聞けば、この厳しい時代にもかかわらず増収・増益だそうで、決断と行動が早く、素直な先生はやはり成果が出るのだなと再認識しました。

 既に事務所を建ててしまった・買ってしまったという方には無理にとは申しませんが、マーケティングの最重要項目は「立地」です。

 立地的に不利な場所で多額のリスティング費用等(インターネット広告)を使うよりも、多少家賃は高くても好立地に出た方が少ない広告費で反響は確実に上がります。

 賃貸物件も安いこの時期に、思い切って移転を考えてはいかがでしょうか?

 但し、物件選びにはいくつかの基準がありますので、慎重に選びましょうね。


■会計事務所が今やるべきこと その2

 前回は「会計事務所が今やるべきこと」について書きました。今回は、続編で「その2」です。

 一昨日、西日本で数億円の事務所を経営されている先生が私の事務所に来て下さり、いろいろと業界事情について意見交換をさせていただいたのですが、考えが一致したのは遠くない将来、「会計事務所の3分の1程度しか生き残れなくなるでしょうね」ということでした。

(気分を害されたら申し訳ありませんが、私は脅かすつもりは一切ございません。)

 今、私がご支援先、そして勉強会で話し、取り組んでいるのはその対策なのですが、どうしてそう思うか、お客様の視点で簡単にご説明させていただきますと、

1.お客様は「入力内容のチェック」に対し、対価を払う意義を感じていない。
  ※異常値のチェックだけならシステムでアラームが鳴るようにすれば人は要らない。

2.折角担当者が来ても、ただ試算表の説明をするだけなら来なくていいと思っている。
  ※経営判断に役立つ情報に加工して説明してくれるなら話は別である。

 正直に申しますと、私は「年一」や「訪問レス」に対する需要が増えているのは、業績悪化で高い顧問料が払えないという経営上の理由だけでなく、「従来型の会計事務所のサービスなら要らない」という経営者の意思表示であると思っております。

3. 会計事務所業界のファブレス化(製販分離の更に先の概念で、会計処理自体を外部の会計事務所に外注するスタイル)がどんどん増えれば、大手資本が法人を一気に囲い込んで、「ファブレス事務所に処理を丸投げして終わり」の時代が来ると思っているからです。

 ですので、昨年末から申しあげておりますように、高付加価値型に転換できない事務所は残念ながら消えてしまうと思うのです。

 だからこそ、生き残れる事務所になるために、前回から申し上げているように今から対策をとって行きましょうと申し上げているのです。

 そのための考え方は、

1.出血を止める(解約を止める)。

2.事務所として提供するサービスレベルを上げ、価値と価格の整合性をとる。

3.そうは言っても低価格傾向なので、低価格でも採算が合う商品を用意する。

4.高付加価値サービスに移行するために戦略的な活動を開始する。

5.良いお客様がいつも「自事務所を中心に巡っている仕組み」をつくる。

ということです。

 今、ここに書かせていただいたことだけ読むと、「当たり前過ぎる」と思われるでしょうし、そのために「じゃあ、どうすればいいんだ」と思われると思いますが、これからは、正しいことをしっかりとやる(できる)事務所だけが生き残れる時代ですので、奇をてらわず、地に足をつけてしっかりやりたいですね。