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第26回 中小企業経営者から見た会計事務所の存在意義 その2

 株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。

 先日、埼玉県の税理士会某支部で講演をさせていただきました。講演テーマは「税理士業界の今後と事務所経営」でした。

 年初の多忙な時期にもかかわらず、60名を超える方々にお集まりいただき、熱心にご聴講いただきました。

 その講演の中で、会場の方々が思わず苦笑いしていたのは、「会計事務所の職員の方々のレベルは、他の業種の方々よりも遙かに高いので、もっと彼等の力を信じ、教育や機会を与えましょう!」というくだりでした。

 どういうことか解説をしますと、以前このレポートで、税理士さんは「努力を継続できるという類まれな能力を持つアスリート」なので、職員が試験に受からなかったり、仕事で思うような成果が出せないとすぐ、「努力が足らないからだ!」と片づける傾向にある、と書きましたよね。

 実際その通りだと私は思っておりまして、多くの税理士さんは「自分がアスリートである」ということを忘れ、何かあると職員さんにことある毎に「駄目だ!駄目だ!」と言いますが、世の中を冷静に見て考えていただくと、日々の仕事の中でわからないこと等があると、自分で書物をあたったり、タックスアンサーで調べたりして、初めてのことでも何とか乗り切ってしまいますが、これって結構すごいことなんです。

 皆さんはあまりご存じないでしょうが、他業界の方々ですと、「私は教わってない」とか「それは私の仕事ではありません」なんて平気で言って、「わからないことはやらない人」が普通にいるのです。

 まあ、それと比べてどうする? という意見もあるでしょうが、会計事務所の方々の知的レベルや意識レベルが総じて高いのは事実です。

 ですから今年は、職員の方々に対する前提条件を、「努力しない駄目な人」から「あなた方はできる人。だから頑張れ!」に変えてはいかがでしょうか?

 人間関係を変える秘訣は、まず思考(前提条件)を変えること、次に、相手を変えるのではなく自らの行動を変えることです。

 お互い、良い1年にいたしましょう。


■中小企業経営者から見た会計事務所の存在意義 その2

 前回は「中小企業経営者から見た会計事務所の存在意義」について書きましたが、今回もそこを掘り下げたいと思います。

 今、多くの先生方は、

1.日々減り続ける顧問先の流出をどうするか?
2.顧問料の低下をどうするか?

という「売上の減少をどう止めるか?」に腐心されていますね。

 そして、それをカバーする方法として、

1.会社設立 → 顧問契約
2.年一決算 → 顧問契約
3.低価格顧問の獲得
4.経理代行の付加
5.相続マーケットの強化

等の施策を講じていらっしゃると思います。

 ただそれは「目先どう凌ぐか?」という話であって、「これから税理士業界はどうしたら良いのか?」という命題に対する解ではない訳です。

 そこがはっきりしないから毎日どうもすっきりしないし、楽しくない、そんな心持ちなのではないでしょうか?

 人間誰しも、行先や目標が見えないと頑張れませんからね。

 そこで、今回は私が考える答えを申し上げます。

 それは「コンサルティング領域の強化=高付加価値化」です。

 新設法人や年一決算の受注、低価格顧問への取り組みは、今まで避けていた顧客層を獲得する有効な方法ですし、実際にそういうニーズは多数あるのですからそれはそれで良いと思います。

 でもそれが「税理士の本来の姿」であるとは思いません。

 次に経理代行ですが、これも受注拠点と処理拠点を分けて、処理拠点に多数の処理部隊がいるような、、

 あるいは海外に処理拠点を構えられるような大規模事務所は良いと思いますが、そうでない事務所の場合には今後予想される他業界の大手資本との営業力&コスト競争で勝てるとは考えにくいです。

 そう考えると、

1.税理士には「税務相談・申告」といったが独占業務があること
2.税理士事務所には優秀で向上心の高いスタッフが集まる(いる)業種であること
3.顧問先の社長と「税務・会計を入口」に簡単に会える環境にあること
4.「税務・会計を入口」に経営に必要なリソースを提案できるチャンスがあること
5.コンサルは雇えないがコンサルして欲しい経営者はいっぱいいること

という「税理事務所がおかれた恵まれた環境」にもっともっとフォーカスしてコンサルティング領域の強化に舵を切るべきでしょう。

 私も、このレポートはもちろん、私の勉強会・ご支援の中で、税理士業界の発展と顧問先の繁盛のお手伝いをして行きたいと思います。