★売上1億円突破を目指す会計事務所の経営者・幹部のみなさまへ 売上1億円突破のための業績アップ実践レポート
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第18回 自力で顧客を獲得する際の基本的な考え方 その1

 株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。

 つい先日、支援先の事務所様が、顧問先様向けにセミナーを開催しました。対象は顧問先の経営者で、講師は私(大谷)。

 講演テーマは、「組織を束ね、社員のやる気を高めるリーダーシップ」。参加人数は30数名(満席)でした。

 読者の方の中には、「何で大谷さんが人材育成系のセミナーなの?」とお思いかもしれませんが、前職のコンサルタント会社では、会計事務所のコンサルティングに着手する前は、マネジメントの部署で長いことそういう仕事をしていました。今でもいくつかの団体&企業様からご指名で仕事を頂戴しております。

 話を戻しますが、そのセミナー&懇親会を通じて改めて感じたのは、

1.多くの経営者が、自分の業界に未来を感じていない
2.多くの経営者が、自分の会社のビジョンを描けていない
3.多くの経営者が、社員に自社のビジョンや事業観を示せていない

ということでした。

 私のコンサルティング経験からで恐縮ですが、業績が厳しくなると、どこの会社の社長も、社員に「売上を上げろ! 売上を作れ!」とハッパをかけます。

 社長にすれば「売上を上げて従業員の雇用を確保したい、少しでもいい生活をさせてあげたい」と思いますから、それは社長として当然のことです。

 ただ、業績が厳しい時にそれを続けると、会社ってだんだん暗くなってくるのです。だんだん社員の発言が減り、表情が暗くなり、顔が上がらなくなるのです。

 なぜかと言うと、心が疲弊してくるからなのです。

 「確かに売上は大事だし、自分の生活も大事。だから社長の言うこともわかる。でも、お金(売上)のためだけに働いている訳じゃないんだよね」と社員が違和感を感じ始めるのです。

 でも、経営者はそんなことはわかりません。

 なぜならば、経営者には、「会社と従業員を守らねば!」という強い使命観があるからです。

 ※そういう意味では、「私はお金が要るので頑張るんです」という従業員は働く目的が明確だから経営者は楽なのです。

 では、業績が芳しくなく、頑張って売上を上げなければならない時、経営者はどうすべきなのか? ということですが、まずは経営者自身が、

・自分の会社は何でありがとうを言われる会社にするのか?(存在意義)
・そのためにどんな取り組みをするのか(商品も含め)
・その結果、N年後にはどんな会社にしたいのか?(ビジョン)

を整理し、それを目に見える形で社員に示すことです。

 経営者の中には、ビジョンと言うと「売上や利益、従業員数」といった数値計画を指すものと思う方がいますが、数値計画はビジョンではありません。そして、社員は数字には共感しません。(お給料にはするかも知れませんが)

 社員が共感するのは、社長が掲げる「何で社会に貢献し、そのためにどんな取り組みをし、どんな会社にするのか?」ということです。

 繰り返しになりますが、社員の方々もお金のために働いてはいますが、お金のためだけに働いている訳ではないのです。

 みな、何かで社会の役にたって、「ありがとう」と言われる存在でありたいと思っているのです。

 ただ、今の仕事が社会やお客様にどう役だっているのか、本当に必要とされているのかが感じられにくくなっているだけなのです。

 ですから、そこは経営者が示してあげなければならないのです。

 私が尊敬するワタミグループの渡邊美樹代表は、「世界で一番ありがとうをいただける会社になろう!」をスローガンに掲げていますし、長者番付に10数回ランクインされている斉藤一人さんも「1日に他人から4回以上『ありがとう』を言われる生活を続けたら幸せになれるよ」と言っています。

 前職で退任された佐藤芳直氏が自著「リーダーは夢を語れ」の中では、「先が見えない時こそリーダーは夢を語らなければいけない」と書いていましたし、創業経営者の船井幸雄氏は「経営者は嘘は言ってはいけないが、会社を良くするためにホラはいくら吹いても良い」と言っていました。

 経営者が「うちの業界は駄目だ、うちの会社は駄目だ」と言ったら会社はもう終わりです。

 経営者として、常に夢を語っていられる存在でありたいですね。

 ご支援先の先生&みなさま、お世話になりました。


■自力で顧客を獲得する際の基本的な考え方 その1

 前回は「顧問先以外から紹介をいただく方法」について書きました。今回からは、「自力で顧客を獲得する方法」です。

 自力でというといろいろありますが、今の時代ですと、まずはWEB(ホームページ)、あとはやりやすい順にDM、セミナー、営業活動・・・といったように、ダイレクトマーケティングから始めるのが良いでしょう。

 なぜならば、ホームページやDMといったダイレクトマーケティングは、

1.事務所がやろうと思えばすぐできる
2.費用対効果を測定しながら、受注をコントロールできる
3.小さな事務所でも可能

だからです。

 もちろん、紹介やセミナー、営業も効果的なのですが、

1.動き始めてから成果が出るのに時間がかかる
2.多少人手がかかる
3.効果測定が難しい

です。

 ですので、私はダイレクトマーケティングから先にお願いしています。

 中でも特に最初に準備をしていただきたいのがホームページです。

 昔は「若い人しか見ないよ!」なんて平気で言っていた方もいましたが、今や、坂本冬美のCDをお年寄りがアイチューンズから落として聞く時代ですし、スマートフォンにも「らくらくフォン」が出る時代ですから、老若男女にかかわらず、WEBは必須です。

 ですが、以前のように、「ホームページがあれば仕事がもらえた時代」ではありませんので、受注目的であれば、事務所案内型のホームページではなく、顧客獲得型のホームページをつくらなければなりません。

 そのためには、

1.自事務所はこれからどんな分野を開拓するのか
2.そのためにどんな切り口でサイトを構築するのか
3.その際のサービス内容(商品と価格)はどうするのか?

といった戦略レベル → 戦術レベル → 戦闘レベルにまで落とし込むということが必要となります。

 具体的にどうするかは次回以降にいたしまして、まずはダイレクトマーケティングから取り組んで行きましょう。