★売上1億円突破を目指す会計事務所の経営者・幹部のみなさまへ 売上1億円突破のための業績アップ実践レポート
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第13回 差別化の8要素 「固定化力」

 株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。

 先日、エプソン販売(株)主催でセミナーをやって参りました。おかげさまで41名の方のご参加(ほぼ満席)で、熱気あふれる会場の中、熱く話をして参りました。

 私はセミナー中、普段とは別人格かと思うくらい「スイッチを入れて話す」ので、ほんと熱い(暑苦しい?)んですよね。

 今回のテーマは顧問料のアップと契約率のアップだったので、参加された方々の関心も大変高く、みなさん熱心にペンを走らせていました。

 私の基本的な考えは、「低価格で集めて、お客様に適切なサービスを適正な価格で売る」というものです。

 デフレ経済下における経営の原理原則は、「低単価のお客様をたくさん集めること」ですので、基本的には「低価格での訴求」が基本になります。

 ただ、前回のレポートでも書きましたが、同じ低価格での訴求でも、

・低価格で集まるけど、低価格商品しか売れない人、と
・低価格で集めるけど、適正な価格で売れる人

に二極化しています。

 恐らく前者の方が多いでしょう。

 その違いはどこにあるのか? と言いますと、

・提供するサービスがわかりやすく明確になっているか?
・設定した価格は、お客様が選択しやすい価格帯か?
・上記を正しく伝えるための接客力と営業ツールがあるか?

の差であると思います。

 インターネットによる「比較購買」の流れが予想以上に早く、且つ、経済環境が厳しさを増す中で、お客様の価格に対する意識はより高まっています。

 そういう意味では、「WEBで告知して来てもらえば何とかなる時代」は終わりを告げ、集まったお客様に「リアル営業で売る時代」になったということです。

 これから重視すべきは、接客力、営業力と言った「売る力」とお客様に好印象を与える躾・マナーも含めた「人間力」ですね。


■差別化の8要素 「固定化力」

 前回は差別化の8要素の7番目「価格力」について書きましたが、今回は、最後の要素「固定化力」です。

 もともと継続的なお付き合いが多い会計事務所は、「固定化力≒リピート」という概念自体があまりない業界と言えます。

 ただ、物販業や飲食店などをはじめ、多くの業種は、新規客の開拓だけでなく、既存客のリピートを獲得しなければ経営が成り立たないため、古くからポイントカードや割引券の配布、サンクスレターの発送などに知恵と労力をかけてきました。

 しかしながら、それがどこか他人事だった理由は、会計事務所には「顧問契約」という素晴らしい仕組みと、「税理士の独占業務」があったためと言えます。

 ところがここへ来て、会計事務所もそう言っていられない状況になってきました。

 なぜならば、

1. 「顧問契約」という契約形態が「記帳代行」、「決算申告」、「アドバイス業務」に切り分けられ、「決算申告」以外は他業界・他資本が入ってきた。

2. それによって、「決算だけ頼む=年一」ということが一般化し、税理士の業務がスポット化されはじめた。

3. 税理士紹介会社やインターネットの普及で、「税理士を切り替える」という発想を経営者自身が持つようになった。

という現象が広がってきたからです。

 その傾向は今後ますます強くなると思いますので、税理士業界にとっても固定化の方法を考えねばならない時代になってきたと言えます。

 私も自分のご支援先様には対策は打っておりますが、方向性としては、

1.はじめから「顧問契約ありき」の契約スタイルを取らない

2.スポット業務が安定的に流れ込んでくる仕組みをつくる

3. お客様から「顧問契約=経営アドバイス」を求められるような専門分野を持つ事務所になる

ということでしょうか。

 どんな商売でも「売り手は囲い込みたい」ですが、「買い手は囲い込まれたくない」訳ですから、そこには知恵と工夫が必要ですね。