★売上1億円突破を目指す会計事務所の経営者・幹部のみなさまへ 売上1億円突破のための業績アップ実践レポート
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第11回 差別化の8要素 「接客力」

 株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。

 最近、ご支援先の事務所で新たな取り組みを始める際に、必ず職員の方向けの研修を行うようにしています。大体、1〜1.5時間のものを2回やらせていただきます。

 1回目は、会計事務所を取り巻く環境変化と今後のマーケティング戦略
 2回目は、会計事務所の成長Stepと組織体制の変遷

です。

 なぜこれをやるかと言いますと・・・、

 大きな声では言えないのですが、かつて、ことが進まない事務所を見ると「職員が事務所の最大の抵抗勢力だ」と思っていたことがありました。そして、ある日、「そう思った時点で事務所の成長はない」と気付きました。

 そもそも、「なぜ抵抗・反発するのか?」と言いますと、それは所長や私が異質なものを持って来るからなのです。

 わかりやすく言いますと、人は誰しも知り得た情報をもとに「こうするべきだ」と考えますが、その情報を持っていない人はそのようには考えない訳です。

 つまり、異なった情報、異なった価値観を持った人が事務所と言う席に着いている訳ですから、同じ結論が導き出せるはずはないのです。

 ですから、同じ情報を持ち、価値観を共有し、ともに考える組織にするためには、同じ情報をもとに考えることであると気づいた訳です。

 職員の方が自分達で考え、自発的に行動する「複数の推進エンジンを持つ事務所」を目指さないと、いつまでも所長一人が頑張らなくてはならなくなってしまいます。

 たぶん私のご支援先の職員さんも読んでいらっしゃるので「大丈夫です、みさんのことではないですよ」と言っておきますね(笑)。


■差別化の8要素 「接客力」

 前回は差別化の8要素の5番目「販促力 その3」について書きましたが、今回は、「接客力」です。

 これまで、商品を作って → 販促で集める という話をしてきましたので、次はそれを売る・提供する=接客 の話になってきます。

 会計事務所の場合、提供するサービスはやはり「人&ノウハウ」です。

 「会計処理そのものじゃないの?」と思う方もいらっしゃるでしょうね。確かに「年一」のように決算を組むためだけの処理なら、そうかも知れません。でも、その分、単価も安いですね。

  多くの方はなんだかんだ言っても、訪問して経営者(お客様)とお話をすると思いますが、話をするということは、同じ会計データを見ても、人によってクローズアップするポイントが違ったり、話の内容が変わってきますから、説明を始めた瞬間、もう商品は「職員さんの話」に置き換わってしまうのです。

 以前も書きましたが、所長に「社長に会って来なさい」と言われても、1度は会えても2度は会えない担当者と、毎回会ってもらえる担当者がどの事務所にもいらっしゃるでしょうが、これこそ「同じデータを見てどこを切り出して話すか」という担当者のスキルによって、「また会いたい」と思うか「次からいいや」と思か選別されているのです。

 そう考えると会計事務所の商品はやはり接客力だと思うのです。

 最後に一つ補足しておきますと、「コミュニケーション能力が高く、人あたりが良い」のももちろん大事な接客力ですが、提供しているサービスはあくまでも「能力・スキル・ノウハウ」だと自分で思っていないと、誰しも人間力で勝負をしようとしてしまうので、注意が必要です。