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第7回 差別化の8要素 「商品力」 その2

 株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。

 コンサルティング会社を辞めて独立・開業してから丸3ヵ月になり、この度、ようやく名刺を作成しました。

 もちろん、人様に出す程度の最低限の名刺は暫定で用意してありましたが、私が提唱する「裏面に事業内容を書いた会社案内のような名刺」は作成しておりませんでした。

 ここへ来て、ようやく事業領域その他が整理できたので、ロゴと事業理念、事業内容を記載した名刺を作成しました。

 実は、前職のコンサル会社は、そういうことをやるにも申請が必要で面倒なため、「型通り」の名刺しか印刷していなかっのですが、独立してからは、自分がお客様に「やった方がいいですよ」ということをすぐ実行に移せるのが非常にうれしいですね。

 さらに今はホームページも作成中です。

 自分の活動を形にしてゆくのって、名刺もそうですが、結構大変なことです。


■差別化の8要素 「商品力」 その2

 前回は差別化の8要素の4番目「商品力」について書きましたが、今回も「商品力 その2」として続きを書いてみたいと思います。

 その1では、「商品は価値と価格のバランスで決まるのだから、お客様のニーズに合わせ、提供するサービスと内容の組み合わせを変えながら、低単価から高単価までの商品をつくりましょう」という旨のことを書きましたが、今日は少し本質的なことを書きます。

1.商品は普及すればするほど単価は下がる
2.お客様は「商品のくくり」で単価を決めている
3.商品は本来機能(価値)と付加機能(価値)で決まる

ということです。

 簡単に解説しますと、近年、会計事務所の顧問料・決算料が低下していますが、このサービスは以前からあった訳ですから、ここに来て急に普及が進んだ訳ではありません。

 にもかかわわず価格は下落しています。

 なぜかと言いますと、これは税理士の広告規制の撤廃、インターネットによる情報流通、紹介会社等による価格競争の扇動によって、「会計事務所のサービスと価格に対する情報が普及したため」ですので、これは1.の普及による影響にあたります。

 次に「商品のくくり」についてですが、例えばみなさんが春になるので、「新しいワイシャツやブラウスを買おうかな?」と考えたとします。

 その場合、みなさんは予算はおいくらですか?

 そして買うならどこに行きますか?

 例えば、予算が1枚3,000〜5,000円以下であれば、低価格のワイシャツ専門店とか大手紳士服専門店などに行くでしょう。

 予算が5,000円〜8,000円くらいなら、ショッピングセンター等に店を出している手頃なファッションブランドショップで買うでしょう。

 そして予算が「1万円くらいからじゃないの?」という方なら、オーダーか、百貨店のファッションブランドショップかセレクトショップでデザイン性の良いものを選びますね。

 つまり、人は「ワイシャツ」「ブラウス」とひとくくりに言っても、それぞれ出せる価格のイメージと買うお店のイメージを持っていて、そこの範疇で最も良いと思われるものを買うのです。

 ですから、会計事務所のサービスに対しても、「うちが払える金額はこのくらい」という価格イメージで人は動くので、高そうな会計事務所には安さを求めるお客様は来ないし、ブランドイメージを考えない会計事務所は高い顧問料はいただけないということになります。

 蛇足ですが、規模の大きな会計事務所で、単価の高い顧問先から、何の予告もなしに解約されてしまうのは、コミュニケーションの問題もあるでしょうが、「この会計事務所の価格帯はこのくらいの価格」というお客様の高い価格イメージが定着しているので、より低価格の会計事務所を求めてスイッチしたということでしょう。

 そして最後に本来機能と付加機能の話ですが、これは業界と事務所の努力の問題だと思いますが、未だ、一般の方々の多くは、会計事務所が何をしているかを理解していませんし、事務所によって内容もレベルもバラバラであることを知りません。

 ですからお客様にすれば「誰がやっても同じなら安い方がいいや」と思うのは、至極当然のことなのです。

 そこで、会計事務所がお客様に提供する「本来機能」とは何で、その価値を高めるには何をすべきなのか?

 また、他事務所との差別化を図るための「付加機能」とは何で、その価値を高めるために、告知するために何をすべきかを全員で話し合うことが、行き過ぎた価格競争から抜け出すために今最も必要なことと思います。

 考えることがいっぱいありそうです。