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第6回 差別化の8要素 「商品力」 その1

 株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。

 最近、奥さんに薦められて読んだある本に、とても良い一節がありましたので、ご紹介します。

 夜走っている車を想像して下さい。ヘッドライトの照明はせいぜい30メートルから60メートルくらい前しか照らしません。

 でも、目の前の60メートルが見えさえすれば、カリフォルニアからニューヨークまでの暗闇の中を運転して行けます。

 人生はそのように私達の前に開けてゆくのです。

 その次の60メートルも、また、その次の60メートルも見えてくると信じていれば、あなたの人生も次々と開けて行きます。

 あなたが望みさえすればどこにでも、真に希望する目的地に導かれてゆくのです。

 かつてもの私もそうでしたし、新人・中途でコンサルタント希望で入ってくる社員はみな、異句同音に、「自分の将来が見えずに不安です。いつになったらこの不安は解消するのでしょうか?」と尋ねてくるのですが、私は「この仕事は常に不安が付きまとう仕事だから、不安が嫌ならこの仕事は辞めた方がいいよ。もし続けるのなら、不安を解消しようとするのではなく、不安と上手に付き合う方法を考えた方がいいよ」とアドバイスしています。

 明日の保証なんて、誰にもわからないのに、それがあたかもあるかの如く勘違いして、いつか安全な道(レール)が見つかるはず、なんて思っている人って多いと思いますが、道なんて自分が歩いた後にしか出来ないものですよね。

 先行き不透明な時代だからこそ、60メートル先の向こう描き、信じながら、一歩一歩足を進めたいものです。


■差別化の8要素 「商品力」 その1

 前回は差別化の8要素の3番目「ブランド」について書きましたが、今回は差別化の8要素の4番目、商品力について考えてみたいと思います。

 どんな商売でもそうですが、商売をしてお客様からお金を頂戴するためには、商品をつくり、それを売る(買っていただく)しかありません。

 ですから、たくさんの方が買ってくれる(支持される)商品をつくれば、売上は上がりますが、あまり買っていただけない(支持されない)商品しかなければ、売上は上がらないということになります。

 ですから、商売においては売れる商品をつくれるかどうかが、最も大事と言えます。

 さらに言いますと、商売は価値とお金の交換ですから、商品=価値/価格(価格と価値のバランス)によって左右されることになります。

 例えば普通の商品でも、他より価格が安ければ売れますし、価値ある商品に手頃な価格がついていれば、売れる訳です。

 ですから、「お客様が望む商品を望む価格で提供できるように品揃えすること」が商売繁盛の秘訣ということになります。

 会計事務所業界においては、低価格商品の台頭、価格を理由にした顧問先の解約が常態化していますが、これも「お客様の望む商品をお客様の望む価格で提供できるような品揃えになっていない」という結果が、「解約」という現象になって表れていると考えるならば、顧客ニーズにあった商品設計をしなければならないということを意味します。

 例えば、事務所の方針として「月次訪問&監査、自計化」が基本であったとしても、会社を作って間もない会社や、売上の小さな会社であれば、「年一」という商品も必要でしょうし、自社の状況は時々把握したいけど、自社で入力はしたくない、というのであれば、「記帳代行+決算申告」という商品を用意すべきでしょう。

 また、事業規模も大きく、それなりに相談にも乗って欲しいけれど、高い顧問料は払えないというのであれば、訪問頻度を落とすなり、「相談は来所で対応する」などの商品も考えなければなりません。

 そして、「うちはきちんと対応してくれるのなら、多少高くたっていいんだよ」というお客様であれば、然るべき担当者がきちんとした資料を作って説明するような商品を設計すれば良いということになります。

 もちろん、長いデフレやお客様の業績の悪化で、単価が下落傾向にあるという時流はありますが、週末になると道路まで渋滞してしまうような回転寿司屋がある一方、未だに数か月先も予約の取れない高級レストランもたくさんある訳ですから、全員が低価格、全員が業績が悪いとひとくくりに考えず、お客様のニーズに合った価格で提供できる商品作りをしっかりとつくるという基本的なことをやる時代になったということでしょう。

 あまり悲観的にならずに頑張りましょうね。