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第4回 差別化の8要素 「規模」

 株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。

 世の中のデフレ傾向を反映して、税理士業界でも低価格顧問の流れが加速しているようですね。

 インターネットの普及、ならびに税理士紹介会社の出現により「税理士を価格で比べて選ぶ」という行為も一般化してきましたし、税理士事務所自身にも、低価格顧問の仕組みを販売している事務所が出てきていますよね。

 時代の流れと言えばそれまでですし、価格を下げれば売れるのは世の常なので、別に否定はしませんが、一口に低価格と言っても、

・同じサービスをただ安く提供するのと
・同じサービスを安くしても利益が出るようにして提供するのと
・サービスを簡素化した低価格商品を品揃えとして用意するのと
・特定条件時の低価格設定を、前面に打ち出して安く見せるのと
・他のサービスと抱き合わせで同じサービスを安く提供するのと

 低価格にもいろいろあるようです。

 上記のどの戦略をとるかは、所長(経営者)の意思と価値観の問題なので、様々だと思いますが、私個人としては、お客様を騙したり、欺くような訴求方法で集客&獲得するのは嫌ですね。

 付加価値を高める(粗利率を上げる)には知恵と不断の努力が必要ですが、みなさまには常に専門家としてのプライドを持って日々の事務所運営をしていただきたいですし、私もそういうスタンスで今後もお手伝いをして行きたいと思っております。


■差別化の8要素 「規模」

 前回は立地(その2)について書きましたが、今回は差別化の8要素の2番目、規模について考えてみたいと思います。

 あくまでも「差別化」の上で有利という意味ですので、くれぐれも「これが絶対である」と受け止めていただきたくないのですが、差別化をする上で、規模が有利なことは紛れもない事実です。

 たとえば、みなさんの区市町村でも、大規模なショッピングセンターがあると思いますが、日々購入する最寄品はともかく、ちょっと高価なものや購買頻度の低い買回り品を買う場合は、そうした大規模ショッピングセンターや百貨店に行くことと思います。

 これは、大規模ショッピングセンターや百貨店に行けば、様々なお店が入っている、たくさんの商品がある、付近の店で買うより選べる、安心といった心理が働くためだと思いますが、それ自体が差別化出来ている証拠です。

 参考までに会計事務所の規模別で言いますと、ざっくりですが、

・売上3,000万円以下の事務所が全体の58%
・売上3,000万円〜5,000万円未満が22%
・売上5,000万円〜1億円未満が15%
・売上1億円以上が5%

という構成です。

 また、従業員数では、

・5名未満の事務所が63%
・5名〜10名未満が29%
・10名〜30名未満が7%
・30名以上が1%未満

という構成になります。

 ですから、売上で5,000万円以上、従業員数10名以上で事務所あれば地域にもよりますが、それなりに「差別化されている」ことになります。

 ですので、ひとまずは、「売上5,000万円、従業員数10名超」を目標にされるのが良いような気がします。

 但し、ただ大きくなれば良いとい言う訳ではないので、それについては次回以降整理したいと思います。