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「賃上げ促進税制」で申告ミス多発 国税庁が注意を呼び掛け

 従業員の賃上げをしたときに法人税の税額控除を受けられる「賃上げ促進税制」について、確定申告でのミスが相次いでいるとして、国税庁が注意を呼び掛けている。同税制を巡っては毎年のように適用要件などの見直しが行われていることから、改正前の要件などを誤って適用しているケースが多いとみられる。
 中小企業向けの賃上げ税制は、給与関係の適用要件をみても近年だけで2017年、18年、21年と3度の見直しが行われている。また22年度税制改正でも控除率の拡充が行われ、最新の制度では、雇用者給与等支給額が前年度と比べて1.5%以上増加すれば、その15%を税額控除し、さらに増加率や教育訓練費の増加に応じて最大40%まで控除率を上乗せする仕組みとなっている。
 同制度について国税庁が、「別表の記載に誤りがあり、税額控除額が適正に算出されていない事例が見受けられます」として、注意を喚起している。特にミスが多いのが、前事業年度の雇用者給与等支給額である「比較雇用者給与等支給額」の計算間違いで、適用年度の申告書の別表の「比較雇用者給与等支給額」として記載された金額と、前年度の申告書の別表において「雇用者給与等支給額」として記載された金額が一致しない事例が多いという。両者が一致していないケースでは、決算期の変更や組織再編成があったとき、雇用安定助成金を受け取っているときなどを除き、これらの金額のいずれかまたは両方に誤りがある可能性があるとしている。
 国税庁は、これらのミスにより、「税務署から行政指導等を実施し、申告内容をお尋ねさせていただく場合もありますので、ご承知おき願います」としている。

提供元:エヌピー通信社

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 従業員の賃上げをしたときに法人税の税額控除を受けられる「賃上げ促進税制」について、確定申告でのミスが相次いでいるとして、国税庁が注意を呼び掛けている。同税制を巡っては毎年のように適用要件などの見直しが行われていることから、改正前の要件などを誤って適用しているケースが多いとみられる。 中小企業向けの賃上げ税制は、給与関係の適用要件をみても近年だけで2017年、18年、21年と3度の見直しが行われている。また22年度税制改正でも控除率の拡充が行われ、最新の制度では、雇用者給与等支給額が前年度と比べて1.5%以上増加すれば、その15%を税額控除し、さらに増加率や教育訓練費の増加に応じて最大40%まで控除率を上乗せする仕組みとなっている。 同制度について国税庁が、「別表の記載に誤りがあり、税額控除額が適正に算出されていない事例が見受けられます」として、注意を喚起している。特にミスが多いのが、前事業年度の雇用者給与等支給額である「比較雇用者給与等支給額」の計算間違いで、適用年度の申告書の別表の「比較雇用者給与等支給額」として記載された金額と、前年度の申告書の別表において「雇用者給与等支給額」として記載された金額が一致しない事例が多いという。両者が一致していないケースでは、決算期の変更や組織再編成があったとき、雇用安定助成金を受け取っているときなどを除き、これらの金額のいずれかまたは両方に誤りがある可能性があるとしている。 国税庁は、これらのミスにより、「税務署から行政指導等を実施し、申告内容をお尋ねさせていただく場合もありますので、ご承知おき願います」としている。提供元:エヌピー通信社
2023.03.23 16:21:37