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再エネ「迷惑施設」対策 宮城県が新税構想 景観悪化や環境破壊を抑止

 再生可能エネルギー施設に対して、新税をつくる動きが宮城県で本格化している。森林を切りひらいて設置する太陽光や陸上風力発電施設へ法定外税を課すことで、懸念されている景観悪化や環境破壊の抑止力とする狙いだ。「迷惑施設」化している再エネ施設への対抗策で、実際に導入されれば全国初となるがハードルは高い。
 宮城県は2月17日、有識者会合に条例の骨子案を示した。発電出力に応じて課税し、税負担は営業利益の2~3割程度とする。着工済みや完成している施設には課税しない。今年の6月議会に条例案を提出し、24年度からの導入を目指す。
 県内では太陽光や風力発電の建設計画が進んでいるが、地元自治体からの反発は強い。関西電力は昨年、宮城、山形両県にまたがる蔵王連峰で陸上風力発電施設の建設を計画していたが、宮城県の村井嘉浩知事はじめ地元住民らも反対し、発表からわずか2カ月で撤回に追い込まれた。大崎市の鳴子温泉郷などで計画中の風力発電施設も、地元市長や観光協会などが反対を表明している。
 自治体が新税を創設するには、総務大臣の同意が必要となる。創設にあたって総務省は課税対象となる事業者側の理解を得ることを求めており、導入は容易ではない。岡山県美作市では大規模太陽光施設に課税する「太陽光パネル税」の導入を進めようとしているが、総務省は昨年6月、課税対象となる事業者と再協議するよう通知を出した。
 政府は再エネの普及を推進する一方、土砂災害などその弊害も出てきている。規制を強化する条例を制定するなど対策を進める自治体は増えている。迷惑施設への「対抗策」としての新税導入が実現されるかどうか、注目が集まる。

提供元:エヌピー通信社

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3月1日更新

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 再生可能エネルギー施設に対して、新税をつくる動きが宮城県で本格化している。森林を切りひらいて設置する太陽光や陸上風力発電施設へ法定外税を課すことで、懸念されている景観悪化や環境破壊の抑止力とする狙いだ。「迷惑施設」化している再エネ施設への対抗策で、実際に導入されれば全国初となるがハードルは高い。 宮城県は2月17日、有識者会合に条例の骨子案を示した。発電出力に応じて課税し、税負担は営業利益の2~3割程度とする。着工済みや完成している施設には課税しない。今年の6月議会に条例案を提出し、24年度からの導入を目指す。 県内では太陽光や風力発電の建設計画が進んでいるが、地元自治体からの反発は強い。関西電力は昨年、宮城、山形両県にまたがる蔵王連峰で陸上風力発電施設の建設を計画していたが、宮城県の村井嘉浩知事はじめ地元住民らも反対し、発表からわずか2カ月で撤回に追い込まれた。大崎市の鳴子温泉郷などで計画中の風力発電施設も、地元市長や観光協会などが反対を表明している。 自治体が新税を創設するには、総務大臣の同意が必要となる。創設にあたって総務省は課税対象となる事業者側の理解を得ることを求めており、導入は容易ではない。岡山県美作市では大規模太陽光施設に課税する「太陽光パネル税」の導入を進めようとしているが、総務省は昨年6月、課税対象となる事業者と再協議するよう通知を出した。 政府は再エネの普及を推進する一方、土砂災害などその弊害も出てきている。規制を強化する条例を制定するなど対策を進める自治体は増えている。迷惑施設への「対抗策」としての新税導入が実現されるかどうか、注目が集まる。提供元:エヌピー通信社
2023.02.22 16:13:50