令和5年度税制改正法案が国会へ提出
令和5年度税制改正法案である国税関係の「所得税法等の一部を改正する法律案」が2月3日に閣議決定され、国会に提出された。
所得税法等の一部を改正する法律案では、家計の資産を貯蓄から投資へと積極的に振り向け、資産所得倍増につなげるための「NISAの抜本的拡充・恒久化」、資産移転の時期の選択により中立的な税制の構築に向け、相続時精算課税適用者が特定贈与者から贈与により取得した財産に係るその年分の贈与税について現行の基礎控除とは別途、課税価格から基礎控除110万円の控除や、暦年課税における相続前贈与の加算期間が3年から7年に延長される。
適格請求書等保存方式(インボイス制度)の円滑な実施に向けた所要の措置として、免税事業者がインボイス発行事業者になった場合の納税額を売上税額の2割に軽減する3年間の負担軽減措置や一定規模以下の事業者の行う少額の取引につき、帳簿のみで仕入税額控除を可能とする6年間の負担軽減措置、少額の返還インボイスについて交付義務の免除などが手当てされる。
電子帳簿等保存制度の見直しとしては、電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存をできなかったことに相当の理由がある事業者等に対する新たな猶予措置や、検索機能の確保の要件の緩和措置、また過少申告加算税の軽減措置の対象となる優良な電子帳簿について、その範囲を合理化・明確化される。
また、法人課税関係では、研究開発税制やオープンイノベーション促進税制の見直しのほか、中小企業者等の法人税の軽減税率の特例の適用期限が2年延長されるなどが含まれている。
同法案は、2月9日の衆議院本会議で趣旨説明と質疑を行い審議入され、地方税の改正法案とともに3月末までには成立する見通し。
提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)