長年要望の東京国税局「情報システム部」（仮称）新設が認められる
国税庁が公表した令和５年度予算の概要によると、８月末に行った令和５年度の機構の要望のうち主要ポストについて認められたことがわかった。まず、平成２９年及び３０年度にも要望していた税務行政のデジタル化の対応として東京国税局に創設を求めていた情報システム部（仮称）が今回認められている。同部署では、申告手続等のオンライン化を推進する中、独立した部署としてシステム開発及び管理・運用が行われる。
経済取引のグローバル化・デジタル化等による調査・徴収事務の複雑化への対応として、国際的租税回避スキームの情報を集約し法令にどう当てはめていくかの検討や、消費税免税点制度の悪用に目を光らせていくための国税庁課税部の課税総括課と同課消費税室の課長補佐の増員も認められた。また、審理体制の充実を図るため、沖縄国税事務所への審理官（仮称）の新設も叶った。
さらに、現在積極的に進めている内部事務一元化のための「業務センター室」を令和５年度に全国２００署以上まで拡充するための国税局総務部に「統括国税管理官」を１６名（東京６、金沢１、名古屋２、大阪４、広島１、高松１、福岡１）と「主任国税管理官」１６４名の増員については、要望通りの人員と配置が認められた。
なお、日本産酒類の輸出を促進するため仙台・名古屋・広島・熊本の４国税局に「酒類業振興専門官」の増設を求めていたが、これについては仙台と名古屋の２国税局のみ設置されることとなった。
一方、定員要求については、消費税不正還付や国際的な租税回避等への対応や来年１０月スタートのインボイス制度への円滑な導入への対応にそれぞれ６００人と４００人を含めて１１９２人の増員を要求のうち１１７８人の増員が認められ、定員合理化数（１１４１人）を差し引いた３７人の純増となり、５年度末の定員は５万５９８５人となる。
令和５年度の国税庁関係の予算では、経済取引の複雑化・国際化、ＩＣＴ化の進展など、税務行政を取り巻く環境の変化に適切に対応し、適正・公平な賦課及び徴収等を実現するために必要な経費として６４１６億５２００万円が認められている。
提供元：２１Ｃ・ＴＦフォーラム（株式会社タックス・コム）
