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経団連vs環境省 炭素税導入バトル前哨戦

 炭素税の導入を巡り、来年度の税制改正に向けたバトルの前哨戦が始まっている。
経団連は9月9日、2023年度の税制改正に対する提言を公表した。二酸化炭素(CO₂)の排出量に応じて課税する炭素税の導入や、既存の地球温暖化対策税(温対税)の税率引き上げについて、「現時点では合理的とは言えない」として、慎重な姿勢を打ち出した。エネルギー価格が高騰することで「産業の国際競争力の低下を招く」ことや、「CO₂の削減効果が必ずしも担保されない」ことなどを理由に挙げている。
 政府は2050年までに温暖化ガスの排出実質ゼロを目指すカーボンニュートラルを目標に掲げる。岸田政権の看板政策「新しい資本主義」の柱にも位置づけられており、達成に向けて今夏、「グリーントランスフォーメーション(GX)実行会議」が設置された。官民が10年間で150兆円を投じる計画で、そのうち20兆円は「GX経済移行債」(仮称)を発行する予定だ。つなぎ国債とする案もあり、財源確保の手段に炭素税も有力視されているが、産業界からは既にけん制が入れられた形だ。
 経団連の提言に真っ向から対立するのが、炭素税の導入を求める環境省が8月に財務省に提出した税制改正要望だ。要望では、地球温暖化対策を重視する「税制全体のグリーン化推進」が柱となった。炭素税などのカーボンプライシングについて検討する必要性を訴えた上で、GX経済移行債の財源などの課題に対応するために、脱炭素社会の実現に向けた「成長志向型カーボンプライシング構想」具体化に向けて速やかに結論を得ることを求めた。
 国債発行には財源の議論がセットにならなければならない。GX実行会議は年内に結論を出す見込みで、脱炭素への取り組みが遅れていると国際的な批判を受けている日本政府には、先送りする猶予はない。仮に税という形での財源確保をすることになれば、年末の与党税制改正大綱に盛り込まれる可能性もあり、会議の内外で官民関係者らの激しい衝突が予想される。

提供元:エヌピー通信社

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10月3日更新

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 炭素税の導入を巡り、来年度の税制改正に向けたバトルの前哨戦が始まっている。経団連は9月9日、2023年度の税制改正に対する提言を公表した。二酸化炭素(CO₂)の排出量に応じて課税する炭素税の導入や、既存の地球温暖化対策税(温対税)の税率引き上げについて、「現時点では合理的とは言えない」として、慎重な姿勢を打ち出した。エネルギー価格が高騰することで「産業の国際競争力の低下を招く」ことや、「CO₂の削減効果が必ずしも担保されない」ことなどを理由に挙げている。 政府は2050年までに温暖化ガスの排出実質ゼロを目指すカーボンニュートラルを目標に掲げる。岸田政権の看板政策「新しい資本主義」の柱にも位置づけられており、達成に向けて今夏、「グリーントランスフォーメーション(GX)実行会議」が設置された。官民が10年間で150兆円を投じる計画で、そのうち20兆円は「GX経済移行債」(仮称)を発行する予定だ。つなぎ国債とする案もあり、財源確保の手段に炭素税も有力視されているが、産業界からは既にけん制が入れられた形だ。 経団連の提言に真っ向から対立するのが、炭素税の導入を求める環境省が8月に財務省に提出した税制改正要望だ。要望では、地球温暖化対策を重視する「税制全体のグリーン化推進」が柱となった。炭素税などのカーボンプライシングについて検討する必要性を訴えた上で、GX経済移行債の財源などの課題に対応するために、脱炭素社会の実現に向けた「成長志向型カーボンプライシング構想」具体化に向けて速やかに結論を得ることを求めた。 国債発行には財源の議論がセットにならなければならない。GX実行会議は年内に結論を出す見込みで、脱炭素への取り組みが遅れていると国際的な批判を受けている日本政府には、先送りする猶予はない。仮に税という形での財源確保をすることになれば、年末の与党税制改正大綱に盛り込まれる可能性もあり、会議の内外で官民関係者らの激しい衝突が予想される。提供元:エヌピー通信社
2022.09.15 17:25:27