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防衛省が要望 サイバー対策に税優遇

 防衛省は、防衛産業のサイバーセキュリティー体制強化のための税制優遇措置を盛り込んだ2023年度の税制改正要望を財務省に提出した。防衛関連企業を狙ったサイバー攻撃が相次ぎ、対策が急務となっていたため、減税措置で企業に設備投資を促進させたい狙いがあるとみられる。
 2020年には三菱電機やNEC、NTTコミュニケーションズなど、日本の防衛関連企業などが相次いでサイバー攻撃を受けた。その後三菱電機が公表した調査結果では、同社が保有する安全保障に影響を及ぼす恐れがあるデータファイル59件が外部に流出した可能性があると発表。慎重な取り扱いが必要な「注意情報」も含まれていた。こうした事例を受け、防衛省は21年12月、防衛産業の約250社を対象にサイバーセキュリティー対策を厳格化する方針を表明。22年4月に、米国の基準に合わせ、調達先企業に対し、対策強化のための要求基準を満たすことを義務化した「防衛産業サイバーセキュリティ基準」を23年度の契約から適用していくと発表した。
 防衛省が提出した税制改正要望は、サイバーセキュリティー体制強化のための設備投資を行った企業に対し、法人税から一定額を控除する制度を想定する。一方、財務省幹部は「税での優遇は、企業にインセンティブをつけるもの。あくまで判断するのは企業側だ」と話しており、税制優遇によって設備投資が進むのか、制度の効果は担保されていない。安全保障やリスクに企業はどう適応していくのか。年末の与党税制改正での議論に注目が集まる。

提供元:エヌピー通信社

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 防衛省は、防衛産業のサイバーセキュリティー体制強化のための税制優遇措置を盛り込んだ2023年度の税制改正要望を財務省に提出した。防衛関連企業を狙ったサイバー攻撃が相次ぎ、対策が急務となっていたため、減税措置で企業に設備投資を促進させたい狙いがあるとみられる。 2020年には三菱電機やNEC、NTTコミュニケーションズなど、日本の防衛関連企業などが相次いでサイバー攻撃を受けた。その後三菱電機が公表した調査結果では、同社が保有する安全保障に影響を及ぼす恐れがあるデータファイル59件が外部に流出した可能性があると発表。慎重な取り扱いが必要な「注意情報」も含まれていた。こうした事例を受け、防衛省は21年12月、防衛産業の約250社を対象にサイバーセキュリティー対策を厳格化する方針を表明。22年4月に、米国の基準に合わせ、調達先企業に対し、対策強化のための要求基準を満たすことを義務化した「防衛産業サイバーセキュリティ基準」を23年度の契約から適用していくと発表した。 防衛省が提出した税制改正要望は、サイバーセキュリティー体制強化のための設備投資を行った企業に対し、法人税から一定額を控除する制度を想定する。一方、財務省幹部は「税での優遇は、企業にインセンティブをつけるもの。あくまで判断するのは企業側だ」と話しており、税制優遇によって設備投資が進むのか、制度の効果は担保されていない。安全保障やリスクに企業はどう適応していくのか。年末の与党税制改正での議論に注目が集まる。提供元:エヌピー通信社
2022.09.08 16:10:48