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国の税収 67兆円で過去最高

 財務省は7月5日、国の2021年度の税収が、前年度から6.2兆円増えて67兆379億円となり、2年連続で過去最高になったと発表した。新型コロナウイルス禍からの経済回復や、円安も寄与して企業収益が拡大し、法人税収や所得税収が伸びたことが大きく影響したほか、消費税収も堅調に伸びた。
 財務省は21年度当初予算で税収57.4兆円と計算していたが、企業業績が好調だったことなどから上振れを見込み、21年末の補正予算で63兆8800億円に修正。それを3兆円上回る結果となった。
 税収に占める割合の大きい「基幹3税」の税収は、消費税収21兆8886億円(前年度比0.9兆円)、所得税収21兆3822億円(同2.2兆円)、法人税収が13兆6428億円(同2.4兆円増)だった。
 上振れの要因は、伸び幅の大きい法人税だ。法人全体の約6割を占める赤字経営の欠損法人はもともと課税対象ではない。新型コロナのあおりを受けた飲食・サービス業などの中小・零細企業には欠損法人が多く、税収には影響が出なかったとみられる。一方、大企業や中堅企業など残りの約4割の法人の業績好調の傾向が続き、さらにコロナ禍からの回復で需要が増え、円安も後押ししたとみられる。企業の収益が上がった結果、配当所得が増えて所得税収の増加にもつながった。
 一方、歳出は新型コロナや物価高対策が盛り込まれた補正予算も積み重なった結果140兆円を超え、税収の2倍以上の規模となっている。税収の上振れなどから財務省は国債発行額を8兆円減額するが、それでも借金に頼り切った財政運営は続いている。

提供元:エヌピー通信社

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 財務省は7月5日、国の2021年度の税収が、前年度から6.2兆円増えて67兆379億円となり、2年連続で過去最高になったと発表した。新型コロナウイルス禍からの経済回復や、円安も寄与して企業収益が拡大し、法人税収や所得税収が伸びたことが大きく影響したほか、消費税収も堅調に伸びた。 財務省は21年度当初予算で税収57.4兆円と計算していたが、企業業績が好調だったことなどから上振れを見込み、21年末の補正予算で63兆8800億円に修正。それを3兆円上回る結果となった。 税収に占める割合の大きい「基幹3税」の税収は、消費税収21兆8886億円(前年度比0.9兆円)、所得税収21兆3822億円(同2.2兆円)、法人税収が13兆6428億円(同2.4兆円増)だった。 上振れの要因は、伸び幅の大きい法人税だ。法人全体の約6割を占める赤字経営の欠損法人はもともと課税対象ではない。新型コロナのあおりを受けた飲食・サービス業などの中小・零細企業には欠損法人が多く、税収には影響が出なかったとみられる。一方、大企業や中堅企業など残りの約4割の法人の業績好調の傾向が続き、さらにコロナ禍からの回復で需要が増え、円安も後押ししたとみられる。企業の収益が上がった結果、配当所得が増えて所得税収の増加にもつながった。 一方、歳出は新型コロナや物価高対策が盛り込まれた補正予算も積み重なった結果140兆円を超え、税収の2倍以上の規模となっている。税収の上振れなどから財務省は国債発行額を8兆円減額するが、それでも借金に頼り切った財政運営は続いている。提供元:エヌピー通信社
2022.07.07 16:07:11