4年分路線価はコロナの影響から脱出傾向で2年ぶりに上昇
国税庁が7月1日に公表した相続税や贈与税の算定基準となる令和4年分の全国の路線価の状況によると、新型コロナウイルスの影響で商業地・観光地が軒並み下落したため6年ぶりにマイナスとなった前年分に比べて地方は引き続き下落した地点が目立ったものの、都市部を中心とする回復基調により、全国約31万7千地点を対象とした標準宅地に係る評価基準額の全国平均の変動率は0.5%の上昇に転じたことがわかった。
都道府県別では、前年から上昇したのは前年の7道県から20都道府県へと拡大しており、上昇率トップ5をみると、北海道(上昇率4%)、で福岡(同3.6%)、宮城(同2.9%)、沖縄(同1.6%)、愛知(同1.2%)で、下落又は下落幅が拡大したのは山形・福井・和歌山の3県のみだった。また、首都圏の東京や大阪もそれぞれ1.1%、0.1%の上昇となった。
都道府県庁所在都市における最高路線価の変動率をみると、前年分に比べて上昇した都市は昨年の8都市から15都市に増加しており、上昇率が最も高かったのは千葉駅前の再開発事業を要因に千葉市の「中央区富士見2丁目 千葉駅前大通り」の5.1%だった。
1平方メートル当たりの全国最高路線価は、「銀座5丁目 鳩居堂前の銀座中央通り」が昭和61年分以降37年連続全国一となったが、人流制限によりインバウンド需要が戻らず前年分より368万円(1.1%)少ない4272万円で2年連続して下落した。とはいっても、1万円札1枚当たりの大きさで約51万円と高額であることにはかわりない。
なお、銀座4丁目交差点角にあるセイコーハウスギンザ前及び三越前・銀座プレイス前など4地点が同額で最高地となっている。ちなみに2位以下をみると、大阪「北区角田町 御堂筋」1896万円、横浜「西区南幸1丁目 横浜駅西口バスターミナル前通り」1656万円、名古屋「中村区名駅1丁目 名駅通り」1248万円の順となっている。
路線価図等は、国税庁ホームページのコーナーで平成28年分から令和4年分までが掲載されている。また自宅等にパソコンがない場合でも、全国の国税局や税務署で閲覧することができる。
提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)