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海外子会社に利益移転 ブリヂストンが3億円申告漏れ タックスヘイブン対策税制を適用

 タイヤメーカー大手のブリヂストン(東京・中央区)が福岡国税局から約3億円の申告漏れを指摘されていたことが分かった。南アフリカにある子会社の所得が、親会社の所得に合算すべきと認定された。低税率の国や地域に利益を移すことによる税逃れを防ぐタックスヘイブン対策税制が適用された。
 ブリヂストンは、南アフリカにある子会社に別の国に孫会社を設立させて、子会社から孫会社へ無利子の貸付金として利益を移転していたとみられる。日本では無利子の貸付金については利子相当分を収益とみなして課税するルールがあるが、南アフリカに同様の規定はないため、税負担を免れることができていたという。ブリヂストンの納税地は創業の地である福岡県久留米市のため、福岡国税局が税務調査に入り、貸付金の利子相当額をグループ会社の収益とみなし、ブリジストンの所得と判断した。追徴税額は過少申告加算税などを含めて約1億円で、同社はすでに納付を済ませた。
 同社に適用されたのは、税率の低い国や地域に実体のない会社をつくる企業に対して、過度な節税を防ぐことを目的として導入された「タックスヘイブン対策税制」だ。海外子会社の所得には通常、日本では課税されないが、法人税率が過度に低い国や、法人税のない国に子会社を設立し、その子会社に主たる事業の実体がなく関連会社の株式保有や資産管理だけが目的と判断されたときには、親会社の所得と合算して日本の法人税率で課税されることとなる。以前は「これ以上法人税率が低ければ対象となる」というトリガー税率が設定されていたが、世界的に法人税の減税競争が激しくなるなかで17年度に税率基準が原則的に廃止され、現在は税率にかかわらず事業の実体をもって判断することとなっている。
 子会社に実態があるかどうかは、実際の子会社の業務や人員状況などが総合的に勘案されるため、明確な境界線があるわけではない。そのため国税当局と企業との間で見解の相違が起きやすく、多くの対立を生む要因となっている。

提供元:エヌピー通信社



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5月2日更新

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 タイヤメーカー大手のブリヂストン(東京・中央区)が福岡国税局から約3億円の申告漏れを指摘されていたことが分かった。南アフリカにある子会社の所得が、親会社の所得に合算すべきと認定された。低税率の国や地域に利益を移すことによる税逃れを防ぐタックスヘイブン対策税制が適用された。 ブリヂストンは、南アフリカにある子会社に別の国に孫会社を設立させて、子会社から孫会社へ無利子の貸付金として利益を移転していたとみられる。日本では無利子の貸付金については利子相当分を収益とみなして課税するルールがあるが、南アフリカに同様の規定はないため、税負担を免れることができていたという。ブリヂストンの納税地は創業の地である福岡県久留米市のため、福岡国税局が税務調査に入り、貸付金の利子相当額をグループ会社の収益とみなし、ブリジストンの所得と判断した。追徴税額は過少申告加算税などを含めて約1億円で、同社はすでに納付を済ませた。 同社に適用されたのは、税率の低い国や地域に実体のない会社をつくる企業に対して、過度な節税を防ぐことを目的として導入された「タックスヘイブン対策税制」だ。海外子会社の所得には通常、日本では課税されないが、法人税率が過度に低い国や、法人税のない国に子会社を設立し、その子会社に主たる事業の実体がなく関連会社の株式保有や資産管理だけが目的と判断されたときには、親会社の所得と合算して日本の法人税率で課税されることとなる。以前は「これ以上法人税率が低ければ対象となる」というトリガー税率が設定されていたが、世界的に法人税の減税競争が激しくなるなかで17年度に税率基準が原則的に廃止され、現在は税率にかかわらず事業の実体をもって判断することとなっている。 子会社に実態があるかどうかは、実際の子会社の業務や人員状況などが総合的に勘案されるため、明確な境界線があるわけではない。そのため国税当局と企業との間で見解の相違が起きやすく、多くの対立を生む要因となっている。提供元:エヌピー通信社
2022.05.12 16:25:33