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長女の口座への毎年の入金による預金は長女に帰属すると認定

 被相続人が、未成年で非嫡出子(長女)に毎年一定の金額を贈与する旨を記した贈与証を作成した上で、長女の唯一の法定代理人である母を介し、長女名義の普通預金口座に毎年入金していたことを巡って、その預金が相続財産に含まれるか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、法定代理人だった母親が贈与証に基づく贈与を受諾し、入金していたものであるから、その預金は長女に帰属する財産であり、相続財産には含まれないと認定、原処分の一部を取り消した。

 この事件は、審査請求人が、1)原処分庁所属の調査担当職員による調査を受けて相続税の修正申告をしたところ、被相続人が保管していた現金及び請求人が相続開始前3年以内に贈与を受けた財産が申告漏れであったと判断、相続税に係る更正処分等及び贈与税に係る決定処分等を行ったこと、また2)修正申告では他の相続人2名に相続開始日の3年より前に贈与された財産が相続財産とされており、納付すべき相続税額が過大であったとして更正の請求をしたところ、原処分庁が請求の一部のみを認容した減額更正処分等を行ってきたことから、請求人が原処分庁側の認定には誤りがあるなどと主張して、原処分の一部取消しを求めて審査請求したという事案である。

 つまり、原処分庁側は、請求人の亡父(つまり被相続人)が、毎年一定の金額を当時未成年であった被相続人の嫡出でない子(長女)に贈与する旨を記した贈与証を作成した上で、長女の母親を介して、長女名義の普通預金口座に毎年(平成13年から平成24年まで)入金していたことについて、長女の母親は贈与証の具体的内容を理解しておらず、被相続人の指示に従って預金口座に入金していたにすぎず、その入金が長女へ贈与されたものとも認識していないから、被相続人から長女への贈与は成立しておらず、預金口座に係る預金は被相続人の相続財産に含まれる旨主張して、審査請求の棄却を求めたわけだ。

 これに対して裁決は、贈与証の内容はその理解が特別困難なものとはいえない上、長女の母親は贈与証を預かるとともに、被相続人の依頼により預金口座へ毎年入金し、預金口座の通帳等を口座開設当時から管理していたことからすれば、最初に入金された平成13年当時、長女の唯一の親権者であった長女の母親は、長女の法定代理人として贈与証による贈与の申込みを受諾し、その履行として預金口座へ毎年入金していたと認めるのが相当であると指摘。

 また、預金口座には利息を除き、毎年の入金以外に入金はないから、預金口座に係る預金は平成13年の口座開設当初から長女に帰属するものであって、相続財産には含まれないと認定、原処分庁側の主張を斥けた。

(2021.09.17国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 被相続人が、未成年で非嫡出子(長女)に毎年一定の金額を贈与する旨を記した贈与証を作成した上で、長女の唯一の法定代理人である母を介し、長女名義の普通預金口座に毎年入金していたことを巡って、その預金が相続財産に含まれるか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、法定代理人だった母親が贈与証に基づく贈与を受諾し、入金していたものであるから、その預金は長女に帰属する財産であり、相続財産には含まれないと認定、原処分の一部を取り消した。 この事件は、審査請求人が、1)原処分庁所属の調査担当職員による調査を受けて相続税の修正申告をしたところ、被相続人が保管していた現金及び請求人が相続開始前3年以内に贈与を受けた財産が申告漏れであったと判断、相続税に係る更正処分等及び贈与税に係る決定処分等を行ったこと、また2)修正申告では他の相続人2名に相続開始日の3年より前に贈与された財産が相続財産とされており、納付すべき相続税額が過大であったとして更正の請求をしたところ、原処分庁が請求の一部のみを認容した減額更正処分等を行ってきたことから、請求人が原処分庁側の認定には誤りがあるなどと主張して、原処分の一部取消しを求めて審査請求したという事案である。 つまり、原処分庁側は、請求人の亡父(つまり被相続人)が、毎年一定の金額を当時未成年であった被相続人の嫡出でない子(長女)に贈与する旨を記した贈与証を作成した上で、長女の母親を介して、長女名義の普通預金口座に毎年(平成13年から平成24年まで)入金していたことについて、長女の母親は贈与証の具体的内容を理解しておらず、被相続人の指示に従って預金口座に入金していたにすぎず、その入金が長女へ贈与されたものとも認識していないから、被相続人から長女への贈与は成立しておらず、預金口座に係る預金は被相続人の相続財産に含まれる旨主張して、審査請求の棄却を求めたわけだ。 これに対して裁決は、贈与証の内容はその理解が特別困難なものとはいえない上、長女の母親は贈与証を預かるとともに、被相続人の依頼により預金口座へ毎年入金し、預金口座の通帳等を口座開設当時から管理していたことからすれば、最初に入金された平成13年当時、長女の唯一の親権者であった長女の母親は、長女の法定代理人として贈与証による贈与の申込みを受諾し、その履行として預金口座へ毎年入金していたと認めるのが相当であると指摘。 また、預金口座には利息を除き、毎年の入金以外に入金はないから、預金口座に係る預金は平成13年の口座開設当初から長女に帰属するものであって、相続財産には含まれないと認定、原処分庁側の主張を斥けた。(2021.09.17国税不服審判所裁決)提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2022.04.11 16:09:26