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今年7月から消費税不正還付、源泉所得税の未納対応で新設ポスト誕生

 国税庁は昨年末、令和4年度予算(経費、定員・機構)の概要を公表した。それによると、同年度の経費関係では、経済取引の複雑化・国際化、ICT化の進展など、税務行政を取り巻く環境の変化に適切に対応し、適正・公平な賦課及び徴収等を実現するために必要な経費として6254億1400万円が措置されており、令和3年度当初予算額(令和4年度からデジタル庁に一括計上される政府情報システム 関連予算含む)に比べ1.7%の減少となっている。

 定員に関しては、軽減税率制度の実施、消費税不正還付や租税回避、新型コロナウイルス感染症、日本産酒類の振興等への対応のため、1180人の増員が認められた。これにより令和4年度の定員合理化目標数等の1145人を差し引くと純増数は35人となり、6年連続の増加となっている。これにより令和4年度末の定員は5万5969人となる。

 機構関係では、今年7月の定期人事異動とともにスタートする新設ポストとして、税務行政のDX(デジタル・トランスフォーメーション)への対応で昨年8月の概算要求で新設を求めた国税庁企画課への「デジタル化・業務改革企画官」(仮称)と「データ活用企画官」(仮称)が認められた。なお、データ活用企画官は、会社標本調査等の各種税務統計等の品質確保及び充実を図るなど、国税組織が持っている情報データを活用し各種施策を進めていくための推進役を担う。

 また、国税庁が近年力を入れている消費税不正還付への対応として福岡国税局の課税一部に「統括国税実査官(消費税等担当)」(仮称)が新設されるほか、全国の5国税局(関東信越・東京・名古屋・大阪・福岡)の課税一部統括国税実査官の中に「消費税専門官」(仮称)が新設される。また、全国13の主要税務署に「消費税専門官」が1名ずつ設置される。

 その他、全国税局(所)の法人課税課に源泉所得税の未納に対応する「納付指導専門官」(仮称)の新設、国際化やICT化などの調査・徴収事務の複雑化への対応として国税局や税務署へ「情報技術専門官」や「国際税務専門官」、「特別国税調査官」などの設置、日本産酒類の振興への対応として関東信越・東京・大阪の3国税局に「酒類業振興専門官」(仮称)の新設、再任用短時間勤務職員用のポストとして東京国税局課税二部へ「納付指導専門官」(仮称)を新設するほか、庁・局・署へポスト増設なども手当されている。

令和4年度予算の概要(機構・定員関係)について

令和4年度予算の概要(経費関係)について

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 国税庁は昨年末、令和4年度予算(経費、定員・機構)の概要を公表した。それによると、同年度の経費関係では、経済取引の複雑化・国際化、ICT化の進展など、税務行政を取り巻く環境の変化に適切に対応し、適正・公平な賦課及び徴収等を実現するために必要な経費として6254億1400万円が措置されており、令和3年度当初予算額(令和4年度からデジタル庁に一括計上される政府情報システム 関連予算含む)に比べ1.7%の減少となっている。 定員に関しては、軽減税率制度の実施、消費税不正還付や租税回避、新型コロナウイルス感染症、日本産酒類の振興等への対応のため、1180人の増員が認められた。これにより令和4年度の定員合理化目標数等の1145人を差し引くと純増数は35人となり、6年連続の増加となっている。これにより令和4年度末の定員は5万5969人となる。 機構関係では、今年7月の定期人事異動とともにスタートする新設ポストとして、税務行政のDX(デジタル・トランスフォーメーション)への対応で昨年8月の概算要求で新設を求めた国税庁企画課への「デジタル化・業務改革企画官」(仮称)と「データ活用企画官」(仮称)が認められた。なお、データ活用企画官は、会社標本調査等の各種税務統計等の品質確保及び充実を図るなど、国税組織が持っている情報データを活用し各種施策を進めていくための推進役を担う。 また、国税庁が近年力を入れている消費税不正還付への対応として福岡国税局の課税一部に「統括国税実査官(消費税等担当)」(仮称)が新設されるほか、全国の5国税局(関東信越・東京・名古屋・大阪・福岡)の課税一部統括国税実査官の中に「消費税専門官」(仮称)が新設される。また、全国13の主要税務署に「消費税専門官」が1名ずつ設置される。 その他、全国税局(所)の法人課税課に源泉所得税の未納に対応する「納付指導専門官」(仮称)の新設、国際化やICT化などの調査・徴収事務の複雑化への対応として国税局や税務署へ「情報技術専門官」や「国際税務専門官」、「特別国税調査官」などの設置、日本産酒類の振興への対応として関東信越・東京・大阪の3国税局に「酒類業振興専門官」(仮称)の新設、再任用短時間勤務職員用のポストとして東京国税局課税二部へ「納付指導専門官」(仮称)を新設するほか、庁・局・署へポスト増設なども手当されている。
2022.01.11 15:39:07