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設備の相当部分の取得ではないため法定耐用年数が妥当と判示

 設備の一部を構成する中古資産を取得したことに伴う減価償却を巡って、その耐用年数は耐用年数省令3条1項2号に基づく耐用年数(2年又は3年)を適用すべきかそれとも法定耐用年数(8年)を適用すべきか否かの判断が争われた事件で東京地裁(清水知恵子裁判長)は、設備の一部を構成する中古資産の取得をした場合、設備の相当部分について中古資産を取得したといえる場合を除いては耐用年数省令3条1項2号が定める耐用年数を適用できないと判示して、法人側の請求を斥けた。

 この事件は、化粧品及び医薬部外品の製造販売等を目的とする株式会社が、中古のチューブ充填機を取得して改良を施す一方で、中古の包装機を取得してこれらを事業の用に供したことから、法人税の確定申告の際に、中古チューブ充填機等及び資本的支出に係る減価償却費を損金の額に算入して申告したのが発端。

 これに対して原処分庁が、償却限度額の計算に誤りがあるとして更正処分をしてきたことから、法人側が審査請求の後、更正処分のうち申告額を超える部分の取消しを求めて提訴したという事案である。

 つまり法人側は、中古チューブ充填機等に耐用年数省令3条2項2号(2年又は3年)が適用されることを前提に、充填機の耐用年数を2年、包装機の耐用年数を3年、資本的支出の耐用年数については充填機と同じ2年になると判断して償却限度額を計算し、これと同額の償却費を損金の額に算入して申告したところ、原処分庁側は各資産が総合償却資産に該当し、その取得によって総合償却資産の全体の耐用年数に影響を及ぼすものではないという判断から、耐用年数省令3条1項2号を適用することはできず、法定耐用年数(8年)を適用すべきであると判断して、更正処分をしてきたわけだ。

 判決はまず、設備の一部を構成する中古資産の取得については、設備の相当部分について中古資産を取得したといえる場合を除いては、耐用年数省令3条1項2号の規定は適用されないと指摘した上で、各資産が設備の相当部分を占めるものであるといえるか否かについての事実認定を行っている。

 その結果、各資産は設備の相当部分を占めるものとはいえないという認定から、各資産の取得については耐用年数省令を適用することはできず、法定耐用年数によるべきであると判断した。また、充填機等は化粧品等の生産設備の一部を構成する資産であるから法定耐用年数の8年となると指摘。さらに、資本的支出の法定耐用年数についても、法人税法施行令55条1項によって充填機と同じ8年になると判示して、法人側の請求を斥ける判決を言い渡した。

(2021.03.30東京地裁判決、平成30年(行ウ)第278号)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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2022.01.07 16:06:48