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令和4年度与党税制改正大綱が決定

 自民・公明両党は10日、令和4年度の税制改正大綱を決定し公表した。大綱では、住宅ローン減税を省エネ住宅の取得を促す仕組みに変えての適用期限の延長、岸田首相が掲げていた従業員の賃金を引き上げる企業の法人税を軽減する賃上げ税制の拡充、5G税制の拡充及び延長や中小企業の交際費課税特例の延長、固定資産税の据え置き特例の見直しが行われることが明記された。

 その一方で、相続税と贈与税の一本化に関しては、“本格的な検討”との表現にとどまり昨年度大綱同様に進展はなく、株式売却益をはじめとする金融所得課税の強化や二酸化炭素(CO2)の排出量に応じて課税する「炭素税」についても具体的な改正は盛り込まれなかった。
 
 主な内容を見ていくと、住宅ローン減税については、ローンの利払いよりも減税額の方が大きくなる「逆ざや」の解消を図るとともに、これまで制度の恩恵を十分受けられなかった中間所得層への手当を手厚くするため、住宅の取得等をして令和4年から7年までに居住した場合、所得税と住民税から差し引く控除率をローン残高の1%から0.7%へ引き下げた上で、新築住宅の控除期間をこれまでの10年間から原則13年間と3年間延長するほか、省エネ性能に優れた住宅ほど控除の対象となるローン残高の上限を増やすことなども盛り込まれた。

 賃上げに積極的な企業を支援する「賃上げ税制」については、企業が増やした従業員の給与支給総額のうち、法人税から控除できる割合を大企業で20%から30%(中小企業では最大25%から40%)に引き上げる。その一方で、収益が拡大しているのに賃上げや投資に消極的な大企業に対しては研究開発税制などの他の優遇税制措置を適用できないよう措置が設けられる。

 地方活性化の中心的役割を担う中小企業の経済活動を支援する観点から、中小企業の交際費や接待費のうち800万円までを経費として損金に算入できる「中小企業における交際費課税の特例」を令和5年度まで延長する。

 固定資産税等では、コロナ特例として導入されていた土地に係る固定資産税及び都市計画税の負担調整措置について、激変緩和の観点から令和4年度に限り商業地にかかる課税標準額の上昇幅を評価額の5%から2.5%と半分に引き下げた上で1年間実施するが、住宅地は予定通り今年度で廃止される。

 その他では、工事請負契約書及び不動産譲渡契約書に係る印紙税の特例措置の2年間延長や、コロナ禍で承継時期が遅れている実態に鑑み法人版事業承継税制に関して特例承継計画の提出期限が延長された。また、令和4年1月からスタートする改正電子帳簿保存法については、メールなどの電子取引によって受け取った国税関係書類の電子保存の義務化が中小企業等の準備が進んでいないこと等を配慮して、令和5年12月末までは紙により出力した印刷物による保存の対応が可能とされた。

 今後は、大綱の内容が税制改正法案として来年2月に国会に提出され、3月の年度末には成立する予定だ。

令和4年度の税制改正大綱について

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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5月2日更新

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 自民・公明両党は10日、令和4年度の税制改正大綱を決定し公表した。大綱では、住宅ローン減税を省エネ住宅の取得を促す仕組みに変えての適用期限の延長、岸田首相が掲げていた従業員の賃金を引き上げる企業の法人税を軽減する賃上げ税制の拡充、5G税制の拡充及び延長や中小企業の交際費課税特例の延長、固定資産税の据え置き特例の見直しが行われることが明記された。 その一方で、相続税と贈与税の一本化に関しては、“本格的な検討”との表現にとどまり昨年度大綱同様に進展はなく、株式売却益をはじめとする金融所得課税の強化や二酸化炭素(CO2)の排出量に応じて課税する「炭素税」についても具体的な改正は盛り込まれなかった。  主な内容を見ていくと、住宅ローン減税については、ローンの利払いよりも減税額の方が大きくなる「逆ざや」の解消を図るとともに、これまで制度の恩恵を十分受けられなかった中間所得層への手当を手厚くするため、住宅の取得等をして令和4年から7年までに居住した場合、所得税と住民税から差し引く控除率をローン残高の1%から0.7%へ引き下げた上で、新築住宅の控除期間をこれまでの10年間から原則13年間と3年間延長するほか、省エネ性能に優れた住宅ほど控除の対象となるローン残高の上限を増やすことなども盛り込まれた。 賃上げに積極的な企業を支援する「賃上げ税制」については、企業が増やした従業員の給与支給総額のうち、法人税から控除できる割合を大企業で20%から30%(中小企業では最大25%から40%)に引き上げる。その一方で、収益が拡大しているのに賃上げや投資に消極的な大企業に対しては研究開発税制などの他の優遇税制措置を適用できないよう措置が設けられる。 地方活性化の中心的役割を担う中小企業の経済活動を支援する観点から、中小企業の交際費や接待費のうち800万円までを経費として損金に算入できる「中小企業における交際費課税の特例」を令和5年度まで延長する。 固定資産税等では、コロナ特例として導入されていた土地に係る固定資産税及び都市計画税の負担調整措置について、激変緩和の観点から令和4年度に限り商業地にかかる課税標準額の上昇幅を評価額の5%から2.5%と半分に引き下げた上で1年間実施するが、住宅地は予定通り今年度で廃止される。 その他では、工事請負契約書及び不動産譲渡契約書に係る印紙税の特例措置の2年間延長や、コロナ禍で承継時期が遅れている実態に鑑み法人版事業承継税制に関して特例承継計画の提出期限が延長された。また、令和4年1月からスタートする改正電子帳簿保存法については、メールなどの電子取引によって受け取った国税関係書類の電子保存の義務化が中小企業等の準備が進んでいないこと等を配慮して、令和5年12月末までは紙により出力した印刷物による保存の対応が可能とされた。 今後は、大綱の内容が税制改正法案として来年2月に国会に提出され、3月の年度末には成立する予定だ。
2021.12.13 16:07:48