固定資産税の特例措置 商業地限定で決着 負担増は2.5%上限
2022年度税制改正の焦点の一つである固定資産税の軽減措置を巡り、自民・公明の両党は、住宅地は予定通り今年で終了する一方で、商業地については軽減内容を見直した上で継続する内容で大筋合意した。
地価が上昇した場合の課税標準額は、前年度の課税標準額に土地の評価額の5%分を加えた額とするのが本来の仕組みだ。だが前年度は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い経済情勢が悪化する一方で、地価は上昇傾向を続けていた地域もあり、そのギャップを埋めるための措置として、税額が上昇する商業地や住宅地などすべての土地の税額を前年度と同額に据え置く特例措置を実施していた。
12月中にまとめて22年度税制改正に向けた議論では、自民党の宮沢洋一税調会長が「一律に減免すれば一等地に土地を持つ大手企業でも租税負担が下がる」として、特例の延長を行わない案を主張。また固定資産税は市町村の税収の約4割を占める基幹税であることから、地方税を所管する総務省も同様の立場を取っていた。
一方で公明党からは、「コロナがまだ落ち着いていない中で、まだ業績が悪い企業への負担を減らすことも考えなくてはいけない」(西田実仁税調会長)と反発。「新型コロナウイルスの新たな変異株が今後の経済に及ぼす影響も考慮する必要がある」といった意見もあった。
最終的に、前年度は「全土地」としていた対象を「商業地のみ」に絞った上で、軽減の内容についても「据え置き」から「負担増の2.5%上限」とすることでまとまった。予定通りの終了を主張していた自民党が、事業者への配慮を求める公明党に配慮した形となった。
提供元:エヌピー通信社