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金融所得課税の見直し 岸田首相が一転先送り

 岸田文雄首相は国民への分配強化策の一環として掲げていた株式譲渡益などの金融所得への課税強化について先送りとする方針を示した。株式市場や次期衆院選への影響を考慮して軌道修正したとみられるが、新内閣が掲げる数少ない財源確保策が宙に浮いた形となった。
 累進で最高45%を課す通常の所得税と異なり、金融取引で得た利益がどれだけ多くても税率が一律20%の金融所得課税には、「金融所得が多い傾向にある富裕層への優遇だ」との批判があり、岸田氏は総裁選などで課税強化の方針を示していた。しかし、10月10日の民放テレビ番組で「当面は触ることは考えていない」と明言。11日からの国会の代表質問でも「賃上げ税制強化や下請け対策など、まずやるべきことがある」と述べ、事実上の先送り方針を示した。金融所得への課税強化は株式市場への資金流入を鈍らせるとして経済界から懸念が根強く、政権発足以降、株価下落の傾向が続いたことなどで軌道修正した形だ。
 2022年度の税制改正で議題となるかは見通せない状況だが、野党は引き続き衆院選の争点としていく考えだ。財務省幹部は「足元の株価が下がったのは課税強化方針の表明とは関係ないのでは。タイミングとしては株価水準が極めて高い今がやりどきだ」と話し、状況を注視している。財務省側は安倍政権発足以降、課税強化を検討するよう官邸に働きかけてきた。しかし、株価を重視する安倍政権、菅政権下では実現しなかった経緯がある。野党に限らず与党内でも以前から課税強化に賛成する意見があり、「今年議論することをまだ諦めたくない」(与党幹部)との声も聞かれる。

提供元:エヌピー通信社

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11月1日更新

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 岸田文雄首相は国民への分配強化策の一環として掲げていた株式譲渡益などの金融所得への課税強化について先送りとする方針を示した。株式市場や次期衆院選への影響を考慮して軌道修正したとみられるが、新内閣が掲げる数少ない財源確保策が宙に浮いた形となった。 累進で最高45%を課す通常の所得税と異なり、金融取引で得た利益がどれだけ多くても税率が一律20%の金融所得課税には、「金融所得が多い傾向にある富裕層への優遇だ」との批判があり、岸田氏は総裁選などで課税強化の方針を示していた。しかし、10月10日の民放テレビ番組で「当面は触ることは考えていない」と明言。11日からの国会の代表質問でも「賃上げ税制強化や下請け対策など、まずやるべきことがある」と述べ、事実上の先送り方針を示した。金融所得への課税強化は株式市場への資金流入を鈍らせるとして経済界から懸念が根強く、政権発足以降、株価下落の傾向が続いたことなどで軌道修正した形だ。 2022年度の税制改正で議題となるかは見通せない状況だが、野党は引き続き衆院選の争点としていく考えだ。財務省幹部は「足元の株価が下がったのは課税強化方針の表明とは関係ないのでは。タイミングとしては株価水準が極めて高い今がやりどきだ」と話し、状況を注視している。財務省側は安倍政権発足以降、課税強化を検討するよう官邸に働きかけてきた。しかし、株価を重視する安倍政権、菅政権下では実現しなかった経緯がある。野党に限らず与党内でも以前から課税強化に賛成する意見があり、「今年議論することをまだ諦めたくない」(与党幹部)との声も聞かれる。提供元:エヌピー通信社
2021.10.14 16:07:06