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法人税の国際最低税率 7月合意へ 麻生財務相「すべての国の利益になる」

 法人税の国際的な最低税率の導入を巡り、各国の交渉が大詰めを迎えている。国際課税ルール改革を議論する経済協力開発機構(OECD)は7月の最終合意を目指しており、同月開かれる主要20カ国・地域(G20)の会合が交渉のヤマ場となりそうだ。
 日米欧の主要7カ国(G7)は5月28日夜、財務相・中央銀行総裁会議をオンライン形式で開いた。終了後に記者会見した麻生太郎財務相は、国際課税ルールづくりについて「合意に向けた機運は高まりつつある」と言及。6月4、5日にロンドンで開催される対面形式によるG7財務相会議で「議論がさらに煮詰まっていくだろう」と強調した。
 関係筋によると、5月28日の会議で国際課税ルールは議題として予定されていなかったが、麻生氏は冒頭、「(国際的な)法人税の引き下げ競争に歯止めをかけることは、G7のすべての国にとって利益につながる」と発言。麻生氏としては、6月のG7の次回会合で先進各国の足並みをそろえた上で、新興国も加わるOECDやG20での合意形成につなげる思惑とみられる。
 米財務省は5月、国際的な法人税の最低税率を少なくとも15%に設定するよう提案。米国は当初、21%を念頭に置いていたが、税率12・5%のアイルランドなど難色を示す低税率国に歩み寄る姿勢を見せた形だ。この提案が合意に向けた議論の目安になる可能性があり、各国の反応が焦点になっている。
 経済のグローバル化が進んだ1980年代以降、企業誘致を有利に進めるため、先進国を中心に法人税の引き下げ競争が繰り広げられてきた。日本も例外ではなく、国と地方を合わせた法人実効税率は80年代初頭に50%を越えていたが、2018年度の29.74%まで徐々に引き下げられた。だが、新型コロナウイルス対応の大規模な経済対策により、財政状況が悪化した各国は財源の安定確保を迫られている。コロナ禍が奇しくも、長年続いた引き下げ競争に転機をもたらした。

提供元:エヌピー通信社

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6月2日更新

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 法人税の国際的な最低税率の導入を巡り、各国の交渉が大詰めを迎えている。国際課税ルール改革を議論する経済協力開発機構(OECD)は7月の最終合意を目指しており、同月開かれる主要20カ国・地域(G20)の会合が交渉のヤマ場となりそうだ。 日米欧の主要7カ国(G7)は5月28日夜、財務相・中央銀行総裁会議をオンライン形式で開いた。終了後に記者会見した麻生太郎財務相は、国際課税ルールづくりについて「合意に向けた機運は高まりつつある」と言及。6月4、5日にロンドンで開催される対面形式によるG7財務相会議で「議論がさらに煮詰まっていくだろう」と強調した。 関係筋によると、5月28日の会議で国際課税ルールは議題として予定されていなかったが、麻生氏は冒頭、「(国際的な)法人税の引き下げ競争に歯止めをかけることは、G7のすべての国にとって利益につながる」と発言。麻生氏としては、6月のG7の次回会合で先進各国の足並みをそろえた上で、新興国も加わるOECDやG20での合意形成につなげる思惑とみられる。 米財務省は5月、国際的な法人税の最低税率を少なくとも15%に設定するよう提案。米国は当初、21%を念頭に置いていたが、税率12・5%のアイルランドなど難色を示す低税率国に歩み寄る姿勢を見せた形だ。この提案が合意に向けた議論の目安になる可能性があり、各国の反応が焦点になっている。 経済のグローバル化が進んだ1980年代以降、企業誘致を有利に進めるため、先進国を中心に法人税の引き下げ競争が繰り広げられてきた。日本も例外ではなく、国と地方を合わせた法人実効税率は80年代初頭に50%を越えていたが、2018年度の29.74%まで徐々に引き下げられた。だが、新型コロナウイルス対応の大規模な経済対策により、財政状況が悪化した各国は財源の安定確保を迫られている。コロナ禍が奇しくも、長年続いた引き下げ競争に転機をもたらした。提供元:エヌピー通信社
2021.06.03 16:24:24