「国の借金」、3月末時点で過去最大の約1216兆円
令和3年3月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」が、前年度末(令和2年3月末)からは101兆9234億円増えて1216兆4634億円となり、過去最大を更新したことを、財務省がこのほど公表した。新型コロナウイルス感染の拡大を受けて編成された令和3年度予算では、追加歳出や歳入不足の財源を全て国債の発行に頼っており、さらに今後の経済対策への財政出動が予想され、国の財政はより厳しい状況になりそうだ。
3月末の国の借金は、令和2年3月末に比べ、国債は約86.6兆円増の約1074.2兆円で全体の約88%を占め、うち普通国債(建設国債+赤字国債)は、約60兆円増の約946.6兆円となった。その内訳は、長期国債(10年以上)が約15.6兆円増加して過去最大の約714.7兆円、短期国債(1年以下)も約48.9兆円増の約72.7兆円とともに大幅増となったが、中期国債(2年から5年)は▲約4.5兆円減の約159.2兆円となった。
この「国の借金」約1216兆円は、令和3年度一般会計予算の歳出総額106兆6097億円の約11.4倍、同年度税収見込み額57兆4480億円の約21.2倍である。年収500万円のサラリーマンが1億600万円の借金を抱えている勘定だ。また、わが国の今年4月1日時点での推計人口1億2541万人(総務省統計、概算値)で割ると、国民1人当たりの借金は、令和2年3月末時点の約885万円から約970万円に増加している。
わが国の公債残高(普通国債残高)は年々増加の一途を辿っているが、令和3年3月末見込みの公債残高約906兆円が、令和3年度末(令和3年度予算ベース)では約990.3兆円が見込まれる。令和3年度一般会計税収予算額約57兆円の約17.4年分に相当し、国民1人当たり約790万円にのぼり、将来世代に大きな負担を残すことになる。ちなみに、国及び地方の長期債務残高は令和2年度末で約1204兆円にのぼる見込み。
国債及び借入金並びに政府保証債務現在高(令和3年3月末現在)について
提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)