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代表者には納税保証の意思が認められると判断、審査請求を棄却


 滞納法人の代表者(審査請求人)の実印が押なつされた納税保証書が無効であるか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、納税保証書の作成時の請求人の実印の保管状況等や、滞納法人の従業員に請求人の実印を冒用すべき理由があるか、納税保証書提出後に請求人が徴収職員に自らが保証人であることを自認する言動をしていたかを認定した上で、請求人には納税保証をする意思が認められると判断、審査請求を棄却した。

 この事件は、原処分庁が建築設計及び都市計画設計の受託等を事業目的とする法人の代表者(審査請求人)を滞納国税に係る保証人であると認定、同社の滞納国税を徴収するために請求人に対して納付通知書による告知処分をしてきたのが発端。これに対して請求人が、同社の滞納国税について納税保証をしたことはなく、納税保証書は請求人の同意もなく作成、提出されたものであるから、無効な納税保証を前提としてなされた原処分は違法であると主張して、その全部取消しを求めて審査請求したという事案である。

 滞納法人の代表者である請求人側はまず、代表者が滞納国税を納税保証する旨が記載された納税保証書は滞納法人の従業員が代表者の印章を無断で使用してこれを作成したものであると反論。その上で、請求人がその従業員やその他の第三者に納税保証書の作成を指示したことがなく、請求人の同意なく提出されたものであることから納税保証は無効であり、これを前提とする納付告知処分は違法である旨主張して原処分の取消しを求めた。

 つまり、滞納国税について代表者が納税保証をしたか否か、具体的には、納税保証書が真正に成立していたか否かが争点になった事案である。

 これに対して裁決は、私文書中の印影が本人又は代理人の印章によって顕出された事実が確定された場合には反証がない限り、その印影は本人又は代理人の意思に基づいて成立したものと推定されるという考えを示した。しかしながら、請求人側にはこれを覆すべき反証はなく、また納税保証書の提出後、請求人自らが保証人であることを自認する言動を繰り返していたことからすれば、滞納国税について納税保証をしたと認められると認定した上で、審査請求を棄却した。

 納税保証書の真正な成立について、審査請求人からいわゆる二段の推定における請求人の意思に基づくことの反証がされたところ、納税保証書の作成時の請求人の実印の保管状況等や、滞納法人の従業員に請求人の実印を冒用すべき理由があるか、また納税保証書の提出後に請求人が徴収職員に自らが保証人であることを自認する言動をしていたかを認定した上で、関係人の答述の信用性を評価し、判断したことがポイントになった事案である。

          (2020.07.01 国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 滞納法人の代表者(審査請求人)の実印が押なつされた納税保証書が無効であるか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、納税保証書の作成時の請求人の実印の保管状況等や、滞納法人の従業員に請求人の実印を冒用すべき理由があるか、納税保証書提出後に請求人が徴収職員に自らが保証人であることを自認する言動をしていたかを認定した上で、請求人には納税保証をする意思が認められると判断、審査請求を棄却した。 この事件は、原処分庁が建築設計及び都市計画設計の受託等を事業目的とする法人の代表者(審査請求人)を滞納国税に係る保証人であると認定、同社の滞納国税を徴収するために請求人に対して納付通知書による告知処分をしてきたのが発端。これに対して請求人が、同社の滞納国税について納税保証をしたことはなく、納税保証書は請求人の同意もなく作成、提出されたものであるから、無効な納税保証を前提としてなされた原処分は違法であると主張して、その全部取消しを求めて審査請求したという事案である。 滞納法人の代表者である請求人側はまず、代表者が滞納国税を納税保証する旨が記載された納税保証書は滞納法人の従業員が代表者の印章を無断で使用してこれを作成したものであると反論。その上で、請求人がその従業員やその他の第三者に納税保証書の作成を指示したことがなく、請求人の同意なく提出されたものであることから納税保証は無効であり、これを前提とする納付告知処分は違法である旨主張して原処分の取消しを求めた。 つまり、滞納国税について代表者が納税保証をしたか否か、具体的には、納税保証書が真正に成立していたか否かが争点になった事案である。 これに対して裁決は、私文書中の印影が本人又は代理人の印章によって顕出された事実が確定された場合には反証がない限り、その印影は本人又は代理人の意思に基づいて成立したものと推定されるという考えを示した。しかしながら、請求人側にはこれを覆すべき反証はなく、また納税保証書の提出後、請求人自らが保証人であることを自認する言動を繰り返していたことからすれば、滞納国税について納税保証をしたと認められると認定した上で、審査請求を棄却した。 納税保証書の真正な成立について、審査請求人からいわゆる二段の推定における請求人の意思に基づくことの反証がされたところ、納税保証書の作成時の請求人の実印の保管状況等や、滞納法人の従業員に請求人の実印を冒用すべき理由があるか、また納税保証書の提出後に請求人が徴収職員に自らが保証人であることを自認する言動をしていたかを認定した上で、関係人の答述の信用性を評価し、判断したことがポイントになった事案である。          (2020.07.01 国税不服審判所裁決)提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2021.04.06 17:38:46