消費税 4月から総額表示が義務化
4月1日から商品やサービスの価格表示が消費税額分を含めた総額表示方式に切り替わる。2014年4月と19年10月の二度にわたる消費税率引き上げに伴う事務負担などへの配慮から、税抜価格のみの表示が特例として認められてきたが、4月以降は店頭での表示のほか、チラシやカタログ、広告など表示媒体を問わず、総額表示が義務化される。
消費者がモノやサービスを購入する際、一目で消費税額を含む価格がわかり比較が容易にできるとして、消費税法に基づき総額表示義務は04年4月から導入された。一方で、税率を5%から8%、10%へ2段階にわけて引き上げることになり、値札張り替えなどの事業者側の事務負担に配慮する観点から、13年に成立した転嫁対策特別措置法に基づき、税抜価格のみの表示を認める特例が設けられていた。
新型コロナウイルス感染拡大による経済停滞を受け、値札変更などの負担が増える事業者から総額表示義務の先送りを求める声もあったが、昨年の税制改正論議では、消費者の利便性向上に資するとして採用されなかった。
総額表示として認められる表示を例に挙げると「1100円」「1100円(税込)」「1100円(うち消費税額100円)」など。「税込価格である旨」の表示は不要で、税抜価格や消費税額などが併記されていてもかまわない。ただ、文字の大きさや文字間の余白などで総額表示が明瞭であることが求められる。
財務省によると、適用税率が異なるテークアウトと店内飲食の両方がある飲食店の場合は、どちらか片方のみの税込価格を表示する方法も認められている。ただし、店内飲食だと税率が高くなることを明示せずに、消費者に店内飲食が実際よりも安いと誤認を与える場合は、景品表示法違反にあたる恐れがあるとしている。
提供元:エヌピー通信社