国税庁、在宅勤務に係る費用負担でFAQを公表
新型コロナウィルス感染拡大防止の一環で在宅勤務に切り替えるケースが増えている。在宅勤務では事務用品や通信費等について業務用と私用の混在が問題となるが、国税庁ではこのほど、「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ」をホームページ上で公表。業務使用部分の合理的な計算方法などを示した。
FAQは全7問。在宅勤務手当や在宅勤務に係る事務用品等、電話やインターネット使用料などの通信費、電気料金、レンタルオフィス使用料などについて、税務上の取扱いを詳しく示している。
在宅勤務手当については、在宅勤務に通常必要な費用の実費相当額を精算する方法により支給する一定の金銭的については給与課税の必要はないとしている一方、「在宅勤務手当」として例えば毎月5000円を渡切りで支給するなど、業務に使用しなかった場合でも返還の必要がないものを支給した場合には給与課税する必要があるとしている。
また、企業が従業員にパソコンなどの事務用品等を支給した場合については、その事務用品等の所有権の所在により課税関係を整理している。例えば企業が所有するパソコンを従業員に貸与するのであれば給与課税はないが、そのパソコンの所有権が従業員に移転した場合には現物給与として課税する必要がある。
業務用と私用が混在しがちな電話料金やインターネット通信料通信費などについても、在宅勤務に通常必要な費用であれば給与課税の必要はないとし、その場合の「業務私用部分」の合理的計算方法について算式を示している。算式は、「業務のために使用した基本使用料や通信料等=従業員が負担した1ヵ月の基本使用料や通信料等×(該当月の日数÷その従業員の1ヵ月の在宅勤務日数)×1/2」というもの。
また、電気料金にかかる業務使用部分の計算については、上記の算式に業務に使用した部屋の床面積割合が加わる。算式は、「業務のために使用した基本料金や電気使用料=従業員が負担した1ヵ月の基本料金や電気使用料×(自宅の床面積÷業務のために使用した部屋の床面積)×(該当月の日数÷その従業員の1ヵ月の在宅勤務日数)×1/2」で算出する。
このほか、レンタルオフィスの使用料については、1)従業員が在宅勤務に通常必要な費用としてレンタルオフィス代等を立替払いし、かつ、2)業務のために利用したものとして領収書等を企業に提出してその代金が精算されているものについては、従業員に対する給与として課税する必要はないとしている。
提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)