HOME ニュース一覧 納税猶予の適用 最多は消費税の4763億円 与党から延長を求める声も

税ニュース

納税猶予の適用 最多は消費税の4763億円 与党から延長を求める声も

 新型コロナウイルス感染拡大の対応策として導入された「納税猶予の特例措置」の適用が、4月末からの5カ月間で20万3202件、金額で7833億円にのぼっていることが国税庁の調べでわかった。景気回復の足取りは緩やかで、与党内には納税猶予の延長を求める声も出ている。
 国税庁によると、税目別では消費税が最多の4763億円、次いで法人税が2195億円、所得税が657億円だった。
 既存の納税猶予と比較すると、2018年度は1年間で4万1871件、695億円だったため、今回の利用は件数で約5倍、金額で約11倍に達したことになる。
 今回の特例措置は、収入が前年同期比で2割以上減少した場合が対象で、既存制度と異なり担保不要、延滞税免除で1年間納税猶予できる。来年2月1日に納税期限を迎える国税が対象で、国税庁は利用を呼びかけている。
 年末の税制改正に向けた公明党の税調役員会が10月27日、1回目の会合を開き、出席者からは納税猶予の特例について、延長の検討を求める意見も出たという。来月、勉強会を開き、利用状況を確認し必要性を検討していく方針だ。
 財務省は、税収減に直結するだけに特例の延長には否定的だ。そもそも、今年の厳しい経済状況が企業収益に反映されれば、来年に納付期限を迎える納税額は自然と減少し、負担も減ることになる。支援策はなるべく予算措置で実施し、その財源となる税収は死守したいのが財務省の本音だ。
 与党税調幹部にも財務省に同調する意見は強く、今後与党内での綱引きが激しさを増しそうだ。

提供元:エヌピー通信社

この記事のカテゴリ

関連リンク

新興企業のM&A推進 買収される側に税優遇

税務・会計に関する情報を毎週無料でお届けしています!

メルマガ登録はこちら


税ニュース
/news/tax/2020/img/img_news_01_s.jpg
 新型コロナウイルス感染拡大の対応策として導入された「納税猶予の特例措置」の適用が、4月末からの5カ月間で20万3202件、金額で7833億円にのぼっていることが国税庁の調べでわかった。景気回復の足取りは緩やかで、与党内には納税猶予の延長を求める声も出ている。 国税庁によると、税目別では消費税が最多の4763億円、次いで法人税が2195億円、所得税が657億円だった。 既存の納税猶予と比較すると、2018年度は1年間で4万1871件、695億円だったため、今回の利用は件数で約5倍、金額で約11倍に達したことになる。 今回の特例措置は、収入が前年同期比で2割以上減少した場合が対象で、既存制度と異なり担保不要、延滞税免除で1年間納税猶予できる。来年2月1日に納税期限を迎える国税が対象で、国税庁は利用を呼びかけている。 年末の税制改正に向けた公明党の税調役員会が10月27日、1回目の会合を開き、出席者からは納税猶予の特例について、延長の検討を求める意見も出たという。来月、勉強会を開き、利用状況を確認し必要性を検討していく方針だ。 財務省は、税収減に直結するだけに特例の延長には否定的だ。そもそも、今年の厳しい経済状況が企業収益に反映されれば、来年に納付期限を迎える納税額は自然と減少し、負担も減ることになる。支援策はなるべく予算措置で実施し、その財源となる税収は死守したいのが財務省の本音だ。 与党税調幹部にも財務省に同調する意見は強く、今後与党内での綱引きが激しさを増しそうだ。提供元:エヌピー通信社
2020.10.29 16:29:57