国外居住親族の扶養控除で対象親族の年齢要件を見直し
令和2年度税制改正では、国外居住親族の扶養控除の適用対象となる親族の年齢要件を見直し、年齢30歳以上70歳未満の者については一定要件に該当しない限り扶養控除の適用対象から除外する。令和5年分以後の所得税から適用する。
現行所得税法では、控除対象扶養親族を、国内外問わず「扶養親族のうち年齢16歳以上の者」と定義しているが、見直しにより、新たに居住者、非居住者の区別を設けた。居住者とは国内に住所があるか現在まで引き続き1年以上居所のある個人で、居住者以外の個人が非居住者。
見直しは、非居住者が年齢30歳以上70歳未満の者の場合、1)留学により非居住者となった者、2)障害者、3)居住者から生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている者、のいずれにも該当しない者は対象から除外する。年齢16歳以上30歳未満と年齢70歳以上は従来通り適用対象。居住者については変更なし。
年齢30歳以上70歳未満の非居住者(障害者以外)を扶養控除の適用対象とするときは、要件に該当することを証明する書類が必要で、留学の証明は外国政府等が発行した留学による在留者を証明する書類を、居住者からの支払額の証明は現行の送金関係書類で送金額等が38万円以上であることを明らかにする書類を、給与等又は公的年金等の源泉徴収や給与等の年末調整、確定申告の際に提出等しなければならない。
国外居住親族であっても、年齢の他、居住者と生計を一にする等の要件を満たせば、扶養控除は適用されるが、国外居住親族の場合、適用要件を満たしているかを確認できないまま扶養控除が適用されている実態があったことから、平成27年度税制改正で、国外居住親族本人か確認するための親族関係書類と、生活費等の送金関係書類の添付が適用要件とされた。
提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)