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課題を残す税制改正 帳尻が合えばOKなのか? 財政健全化はなおざり

 政府は2020年度税制改正大綱を閣議決定した。自民・公明の両党が12月12日にまとめた与党大綱に沿い、寡婦控除の対象拡大による未婚ひとり親の税負担軽減のほか、企業の投資を後押しする税制を盛り込んだ。政府が各改正項目を精査した結果、改正が通年で適用された場合、国の税収は80億円、地方の税収は13億円増える見通し。
 国税では、ベンチャー企業への出資額の25%を企業の所得から控除する「オープンイノベーション税制」は150億円の減収。次世代通信規格「5G」の整備に取り組む企業の法人税減税では130億円の減収になる。一方で、企業の交際費に関する減税制度を見直し、資本金100億円以上の大企業を対象外として140億円を捻出するほか、葉巻たばこ「リトルシガー」の増税などで、全体的には税収増とした。
 地方税では、電力会社の法人税の課税方式を見直したことで175億円の大幅減収になったが、電力会社や日本郵便に対する固定資産税の減税特例措置の廃止などで最終的に増収となった。
 19年10月の消費税増税直後の取りまとめとなったため、小幅な税制改正にとどまった。安倍政権の成長戦略を税制面から支えるための企業向け減税が主な柱だが、与党税調幹部は「結果的に法人税収はプラスマイナスゼロなので企業優遇にはあたらない」と強調する。だが、もともと大企業や経団連が「不要」と判断していた交際費減税を廃止して「帳尻が合えばOK」(別の税調幹部)とする考えは、財政健全化の観点で疑問が残る。大正大学の小峰隆夫教授(経済政策論)は「政治は歳出拡大で問題点をなくす方向性だが、財政視点の議論はされていない。今回の改正では財政健全化に与える影響を誰も考えていないのではないか」と話した。

提供元:エヌピー通信社



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2月19日更新

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 政府は2020年度税制改正大綱を閣議決定した。自民・公明の両党が12月12日にまとめた与党大綱に沿い、寡婦控除の対象拡大による未婚ひとり親の税負担軽減のほか、企業の投資を後押しする税制を盛り込んだ。政府が各改正項目を精査した結果、改正が通年で適用された場合、国の税収は80億円、地方の税収は13億円増える見通し。 国税では、ベンチャー企業への出資額の25%を企業の所得から控除する「オープンイノベーション税制」は150億円の減収。次世代通信規格「5G」の整備に取り組む企業の法人税減税では130億円の減収になる。一方で、企業の交際費に関する減税制度を見直し、資本金100億円以上の大企業を対象外として140億円を捻出するほか、葉巻たばこ「リトルシガー」の増税などで、全体的には税収増とした。 地方税では、電力会社の法人税の課税方式を見直したことで175億円の大幅減収になったが、電力会社や日本郵便に対する固定資産税の減税特例措置の廃止などで最終的に増収となった。 19年10月の消費税増税直後の取りまとめとなったため、小幅な税制改正にとどまった。安倍政権の成長戦略を税制面から支えるための企業向け減税が主な柱だが、与党税調幹部は「結果的に法人税収はプラスマイナスゼロなので企業優遇にはあたらない」と強調する。だが、もともと大企業や経団連が「不要」と判断していた交際費減税を廃止して「帳尻が合えばOK」(別の税調幹部)とする考えは、財政健全化の観点で疑問が残る。大正大学の小峰隆夫教授(経済政策論)は「政治は歳出拡大で問題点をなくす方向性だが、財政視点の議論はされていない。今回の改正では財政健全化に与える影響を誰も考えていないのではないか」と話した。提供元:エヌピー通信社
2019.12.26 16:24:33