HOME ニュース一覧 更正の請求書に未記載の事由を審査請求では主張できないと判断

税ニュース

更正の請求書に未記載の事由を審査請求では主張できないと判断

 更正の請求に対する通知処分の取消しを求める審査請求の際に、更正の請求期限である5年経過後に、更正の請求書に記載しなかった特定の売上げ以外の他の収入が過大であることを違法事由として新たに主張できるか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、少なくとも更正の請求期限の経過後においては、更正の請求書に記載しなかった事由を通知処分の違法事由として新たに主張することは許されないと解釈、審査請求を棄却した。

 この事件は、審査請求人が、所得税の申告の際、事業所得の収入金額が過大に計上されていること、及び必要経費に計上漏れがあることを理由に更正の請求を行うとともに、併せて消費税等の申告において、事業所得の収入金額の過大計上に伴って課税標準額が過大に計上されていること、及び仕入税額控除の適用漏れがあることを理由に更正の請求をしたのが発端となった。

 この更正の請求に対して原処分庁が、事業所得の収入金額、必要経費の金額及び消費税等の課税標準額に誤りがなく、また消費税等についても仕入税額控除の適用は認められないと判断して、いずれも更正をすべき理由がない旨の通知処分をしてきたため、納税者側がその通知処分の一部取消しを求めて審査請求したという事案である。

 つまり納税者側は、原処分庁の実地調査に基づいて期限後申告をした年分の売上げのうちの特定のものについては、金額の誤りや収入計上の時期に誤りがあったため、その年分の収入金額が過大であることから、更正の請求は認められるべきである旨主張して、審査請求したわけだ。

 裁決はまず、納税者側が主張する特定のものに係る金額の誤りや収入の計上時期に関して誤りがあるとは認められないと否定。また、納税者側は、更正の請求の際に更正の請求事由としなかった特定の売上げ以外の他の収入についても収入金額が過大である旨を審査請求の際に主張していることに触れ、その主張は、更正の請求時には主張していなかった事由を審査請求段階において新たに主張するものであるところ、更正の請求が、法定申告期限から5年以内の請求期限を設け、その理由等を記載した更正の請求書を課税庁に提出することを求めていることからすれば、租税法律関係の早期安定及び税務行政の能率的な運営等を図る趣旨からも、少なくとも更正の請求期限を経過した後においては、更正の請求書に記載しなかった事由を通知処分の違法事由として新たに主張することは許されないと解釈して、審査請求を棄却した。

                          (2019.03.28国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

この記事のカテゴリ

関連リンク

海外取引調査で大幅増加の7千億円の申告漏れを把握

税務・会計に関する情報を毎週無料でお届けしています!

メルマガ登録はこちら

 

週間ニュースランキング

11月27日更新

税ニュース
/news/tax/2019/img/img_kokuzeitsusoku_01_s.jpg
 更正の請求に対する通知処分の取消しを求める審査請求の際に、更正の請求期限である5年経過後に、更正の請求書に記載しなかった特定の売上げ以外の他の収入が過大であることを違法事由として新たに主張できるか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、少なくとも更正の請求期限の経過後においては、更正の請求書に記載しなかった事由を通知処分の違法事由として新たに主張することは許されないと解釈、審査請求を棄却した。 この事件は、審査請求人が、所得税の申告の際、事業所得の収入金額が過大に計上されていること、及び必要経費に計上漏れがあることを理由に更正の請求を行うとともに、併せて消費税等の申告において、事業所得の収入金額の過大計上に伴って課税標準額が過大に計上されていること、及び仕入税額控除の適用漏れがあることを理由に更正の請求をしたのが発端となった。 この更正の請求に対して原処分庁が、事業所得の収入金額、必要経費の金額及び消費税等の課税標準額に誤りがなく、また消費税等についても仕入税額控除の適用は認められないと判断して、いずれも更正をすべき理由がない旨の通知処分をしてきたため、納税者側がその通知処分の一部取消しを求めて審査請求したという事案である。 つまり納税者側は、原処分庁の実地調査に基づいて期限後申告をした年分の売上げのうちの特定のものについては、金額の誤りや収入計上の時期に誤りがあったため、その年分の収入金額が過大であることから、更正の請求は認められるべきである旨主張して、審査請求したわけだ。 裁決はまず、納税者側が主張する特定のものに係る金額の誤りや収入の計上時期に関して誤りがあるとは認められないと否定。また、納税者側は、更正の請求の際に更正の請求事由としなかった特定の売上げ以外の他の収入についても収入金額が過大である旨を審査請求の際に主張していることに触れ、その主張は、更正の請求時には主張していなかった事由を審査請求段階において新たに主張するものであるところ、更正の請求が、法定申告期限から5年以内の請求期限を設け、その理由等を記載した更正の請求書を課税庁に提出することを求めていることからすれば、租税法律関係の早期安定及び税務行政の能率的な運営等を図る趣旨からも、少なくとも更正の請求期限を経過した後においては、更正の請求書に記載しなかった事由を通知処分の違法事由として新たに主張することは許されないと解釈して、審査請求を棄却した。                           (2019.03.28国税不服審判所裁決)提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2019.11.18 16:19:35