HOME ニュース一覧 経産省と経団連 消費税の申告期限延長を要望 決算月から3カ月後へ

税ニュース

経産省と経団連 消費税の申告期限延長を要望 決算月から3カ月後へ

 経済産業省と経団連は、企業が税務署に消費税を申告する期限を延長するよう財務省に求めることにした。3月決算の場合、現在は5月末が期限だが、法人税は6月末まで延長が認められることが多い。期限をそろえることで企業が正確に申告しやすくなる効果を狙う。
 近くまとめる2020年度の税制改正要望に盛り込む。消費税の申告は事業年度が終わってから2カ月以内に設定されており、大企業を中心に「現場の実務が煩雑になり負担が大きい」と期限の延長を求める声が出ていた。3月決算の企業は、法人税の申告期限を6月末まで延長しても、消費税は5月末のままで1カ月早いことがほとんどだ。このため、消費税分の精査が終わっていなくてもとりあえず申告しておき、法人税を申告した際に金額を修正するケースが目立つといい、経団連幹部は「少しでも無駄な作業をしなくて済むような仕組みを整えてほしい」と訴えている。
 こうした要望をする背景には、企業が税務署から税務調査の通知を受けた後に申告額を増額して修正すると加算税が課されることになった17年の制度改正がある。今年10月には消費税率が10%に引き上げられ、加算税の負担がさらに増えることが確実なため、経済界は対応を急いでいる。
 経産省と経団連は、既に財務省側と非公式の調整に入っている。今のところ財務省は導入に前向きだが「どの企業にも申告期限の延長を認めるわけにはいかず、何らかの条件を設けてクリアしてもらう必要がある」と指摘しているという。詳細を詰める作業は年末まで続く見通し。

提供元:エヌピー通信社

この記事のカテゴリ

関連リンク

企業の半数が未対応 混乱必至の軽減税率 レジ改修は4割が未着手

税務・会計に関する情報を毎週無料でお届けしています!

メルマガ登録はこちら


税ニュース
/news/tax/2019/img/img_news_01_s.jpg
 経済産業省と経団連は、企業が税務署に消費税を申告する期限を延長するよう財務省に求めることにした。3月決算の場合、現在は5月末が期限だが、法人税は6月末まで延長が認められることが多い。期限をそろえることで企業が正確に申告しやすくなる効果を狙う。 近くまとめる2020年度の税制改正要望に盛り込む。消費税の申告は事業年度が終わってから2カ月以内に設定されており、大企業を中心に「現場の実務が煩雑になり負担が大きい」と期限の延長を求める声が出ていた。3月決算の企業は、法人税の申告期限を6月末まで延長しても、消費税は5月末のままで1カ月早いことがほとんどだ。このため、消費税分の精査が終わっていなくてもとりあえず申告しておき、法人税を申告した際に金額を修正するケースが目立つといい、経団連幹部は「少しでも無駄な作業をしなくて済むような仕組みを整えてほしい」と訴えている。 こうした要望をする背景には、企業が税務署から税務調査の通知を受けた後に申告額を増額して修正すると加算税が課されることになった17年の制度改正がある。今年10月には消費税率が10%に引き上げられ、加算税の負担がさらに増えることが確実なため、経済界は対応を急いでいる。 経産省と経団連は、既に財務省側と非公式の調整に入っている。今のところ財務省は導入に前向きだが「どの企業にも申告期限の延長を認めるわけにはいかず、何らかの条件を設けてクリアしてもらう必要がある」と指摘しているという。詳細を詰める作業は年末まで続く見通し。提供元:エヌピー通信社
2019.08.23 09:08:18