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企業の半数が未対応 混乱必至の軽減税率 レジ改修は4割が未着手

 消費税率を引き上げる際に導入される軽減税率制度を巡り、企業の準備が遅れている。日本商工会議所が8月5日に発表した調査結果では、対応するレジへの改修について4割が着手していないことが判明。他の調査でも、軽減税率に未対応の企業が半数程度に上るというデータが相次いで公表されている。このまま10月に入れば現場が混乱するのは必至で、景気の足を引っ張る事態につながりかねない。
 日商の調査は5月7日から1カ月にわたって実施。ヒアリングの対象になった中小企業3771社のうち3305社から回答があった。消費者向けビジネスをしている事業者のうち、レジ改修を済ませたのは29.2%だけで、未着手は40.1%に達した。売上高が少ない事業者ほど改修を終えていない割合が増えており、5千万円以下だと45.5%あった。自社が軽減税率の対象商品を取り扱っているか確認していない企業すら22.8%残っており、焦りが足りない様子が垣間見える。
 特に地方では、消費増税に伴う混乱への警戒感が薄いようだ。帝国データバンクが各地で実施したアンケートの結果が8月に入り相次いで公表されているが、「軽減税率への対応をしていない」と答えた企業が半数前後に上っているという点が共通している。
 こうした現状について、財務省幹部は「コストが増えたり税制が複雑化したりするため、そもそも企業側は軽減税率制度を直視せず敬遠したがっている」と分析。「入念な準備を進めてもらわないと、全国で同時多発的に混乱が生じる。消費増税による景気悪化を避けるためさまざまな方策を打ち出してきたが、水泡に帰すかもしれない」と危機感を募らせている。

提供元:エヌピー通信社

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 消費税率を引き上げる際に導入される軽減税率制度を巡り、企業の準備が遅れている。日本商工会議所が8月5日に発表した調査結果では、対応するレジへの改修について4割が着手していないことが判明。他の調査でも、軽減税率に未対応の企業が半数程度に上るというデータが相次いで公表されている。このまま10月に入れば現場が混乱するのは必至で、景気の足を引っ張る事態につながりかねない。 日商の調査は5月7日から1カ月にわたって実施。ヒアリングの対象になった中小企業3771社のうち3305社から回答があった。消費者向けビジネスをしている事業者のうち、レジ改修を済ませたのは29.2%だけで、未着手は40.1%に達した。売上高が少ない事業者ほど改修を終えていない割合が増えており、5千万円以下だと45.5%あった。自社が軽減税率の対象商品を取り扱っているか確認していない企業すら22.8%残っており、焦りが足りない様子が垣間見える。 特に地方では、消費増税に伴う混乱への警戒感が薄いようだ。帝国データバンクが各地で実施したアンケートの結果が8月に入り相次いで公表されているが、「軽減税率への対応をしていない」と答えた企業が半数前後に上っているという点が共通している。 こうした現状について、財務省幹部は「コストが増えたり税制が複雑化したりするため、そもそも企業側は軽減税率制度を直視せず敬遠したがっている」と分析。「入念な準備を進めてもらわないと、全国で同時多発的に混乱が生じる。消費増税による景気悪化を避けるためさまざまな方策を打ち出してきたが、水泡に帰すかもしれない」と危機感を募らせている。提供元:エヌピー通信社
2019.08.09 09:00:08