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G20で「国際連帯税」が焦点に 河野外相の試金石にも

 今年日本が議長国の主要20国・地域(G20)での「税」の話題と言えば、デジタル課税を巡る議論が取りざたされがちだが、実はもう一つ大きなテーマがある。「国際連帯税」の導入だ。金融取引など国境をまたぐ経済取引に課税し、発展途上国支援などの財源に充てる案で、外務省が導入に意欲を見せている。
 「4月のG7外相会合でも『良いね』という話をいただいた。」河野太郎外務相は、5月都内で開かれた催しで講演した際に、こう手応えを語った。国際連帯税は、ODAと違い、先進国の財政状況に左右されず、寄付よりも安定した収入が見込まれる点が強みだ。
 すでにフランスや韓国など十数カ国は航空券連帯税を導入。出国する人の航空券に少額を上乗せして集め、導入国の利害に左右されないよう国際機関ユニットエイド(本部・ジュネーブ)に拠出した上で、エイズや結核などの感染症対策に活用している。
 国際連帯税は航空券の他に、金融取引や二酸化炭素(CO2)の排出量に課す案もある。外務省は2010年度税制改正要望から連続して新設を要望し続けている。
 ただ産業界の反発は根強く、日本では実現していない。外国為替や株式などの金融取引に課税されれば、資本市場への影響は避けられない。CO2排出量への課税も製造業にとっては課税強化に等しいからだ。
 一方で、「持続可能な開発目標(SDGs)」への関心は世界的に日に日に高まっている。その達成には年2.5兆ドル規模の投資が必要とされ、財源論は避けられない。また、意識の低い企業はファンドの投資対象から外されるなど、企業も単純に利益優先とはいかない状況になっている。
 外相に抜てきされ、将来の総理候補者レースでも頭角を現したものの、現状目立った実績があるとは言いがたい河野氏。世界的潮流に乗り、国際的な新税創設という大仕事をやりとげられるか、あるいは与党内野党的な立場だった以前のように理想論だけを振りかざして終わるのか、その意味でも注目だ。

提供元:エヌピー通信社

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2月6日更新

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 今年日本が議長国の主要20国・地域(G20)での「税」の話題と言えば、デジタル課税を巡る議論が取りざたされがちだが、実はもう一つ大きなテーマがある。「国際連帯税」の導入だ。金融取引など国境をまたぐ経済取引に課税し、発展途上国支援などの財源に充てる案で、外務省が導入に意欲を見せている。 「4月のG7外相会合でも『良いね』という話をいただいた。」河野太郎外務相は、5月都内で開かれた催しで講演した際に、こう手応えを語った。国際連帯税は、ODAと違い、先進国の財政状況に左右されず、寄付よりも安定した収入が見込まれる点が強みだ。 すでにフランスや韓国など十数カ国は航空券連帯税を導入。出国する人の航空券に少額を上乗せして集め、導入国の利害に左右されないよう国際機関ユニットエイド(本部・ジュネーブ)に拠出した上で、エイズや結核などの感染症対策に活用している。 国際連帯税は航空券の他に、金融取引や二酸化炭素(CO2)の排出量に課す案もある。外務省は2010年度税制改正要望から連続して新設を要望し続けている。 ただ産業界の反発は根強く、日本では実現していない。外国為替や株式などの金融取引に課税されれば、資本市場への影響は避けられない。CO2排出量への課税も製造業にとっては課税強化に等しいからだ。 一方で、「持続可能な開発目標(SDGs)」への関心は世界的に日に日に高まっている。その達成には年2.5兆ドル規模の投資が必要とされ、財源論は避けられない。また、意識の低い企業はファンドの投資対象から外されるなど、企業も単純に利益優先とはいかない状況になっている。 外相に抜てきされ、将来の総理候補者レースでも頭角を現したものの、現状目立った実績があるとは言いがたい河野氏。世界的潮流に乗り、国際的な新税創設という大仕事をやりとげられるか、あるいは与党内野党的な立場だった以前のように理想論だけを振りかざして終わるのか、その意味でも注目だ。提供元:エヌピー通信社
2019.05.24 10:11:28