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借入金の債務免除に伴う債務免除益は一時所得と判決

 借入金債務について債務免除を受けたことに伴う債務免除益が一時所得に当たるか、事業所得に当たるかの判断が争われた事件で東京地裁(林俊之裁判長)は、債務免除益が非継続性要件、非対価性要件も満たさないものとはいえないことから一時所得に該当すると判断、原処分の一部を取り消す判決を言い渡した。

 この事件は、米麦の作付けを中心にした農業や不動産賃貸業を営む他、農産食料品の販売等を営む法人の代表取締役、農業用畜舎の設計施行及び管理等を目的とする法人の取締役等を務めるなどをしてきた者が、農協に有していた借入金債務を免除されたことから、その債務免除益を一時所得として修正申告したのが発端となった。

 この申告に対して原処分庁が、債務免除益は借入金の目的に応じて事業所得、不動産所得及び一時所得に該当すると判断、更正処分の上、過少申告加算税の賦課決定処分をしてきたことから、その取消しを求めて提訴したという事案である。

 原処分庁側は、債務免除益は資金使途に応じて借換え等の前の旧借入金ごとに按分して考えるのが合理的であるから、債務免除益のうち農地取得借入金に係るものとして按分された部分の金額は事業所得の総収入金額に算入されるべきであると主張。また、賃貸不動産取得借入金に係るものとして按分された金額は不動産所得の総収入金額に、さらに農地取得借入金及び賃貸不動産借入金以外に係る部分は、利子所得、譲渡所得、一時所得のいずれの所得にも該当しないから雑所得に該当すると主張して、棄却を求めた。

 判決はまず、借入金の債務免除益の所得区分の判断においては、その借入れの目的や債務免除に至った経緯等を総合的に考慮して判断するのが相当であるという解釈を示した。その上で、事実認定を行い、債務免除益が不動産所得、事業所得に当たると認めることはできないとして、原処分庁側の主張を斥けた。

 また、一時所得の判断基準となる非継続性要件も、非対価性要件も満たさないものとはいえないと指摘して原処分庁側の主張を悉く斥けた上で、結局、債務免除益のうち不動産所得あるいは事業所得に該当しない部分は一時所得に当たるというのが相当であると判示して、原処分の一部を取り消す判決を言い渡した。

(2018.04.19東京地裁判決、平成26年(行ウ)第649号)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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6月25日更新

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 借入金債務について債務免除を受けたことに伴う債務免除益が一時所得に当たるか、事業所得に当たるかの判断が争われた事件で東京地裁(林俊之裁判長)は、債務免除益が非継続性要件、非対価性要件も満たさないものとはいえないことから一時所得に該当すると判断、原処分の一部を取り消す判決を言い渡した。 この事件は、米麦の作付けを中心にした農業や不動産賃貸業を営む他、農産食料品の販売等を営む法人の代表取締役、農業用畜舎の設計施行及び管理等を目的とする法人の取締役等を務めるなどをしてきた者が、農協に有していた借入金債務を免除されたことから、その債務免除益を一時所得として修正申告したのが発端となった。 この申告に対して原処分庁が、債務免除益は借入金の目的に応じて事業所得、不動産所得及び一時所得に該当すると判断、更正処分の上、過少申告加算税の賦課決定処分をしてきたことから、その取消しを求めて提訴したという事案である。 原処分庁側は、債務免除益は資金使途に応じて借換え等の前の旧借入金ごとに按分して考えるのが合理的であるから、債務免除益のうち農地取得借入金に係るものとして按分された部分の金額は事業所得の総収入金額に算入されるべきであると主張。また、賃貸不動産取得借入金に係るものとして按分された金額は不動産所得の総収入金額に、さらに農地取得借入金及び賃貸不動産借入金以外に係る部分は、利子所得、譲渡所得、一時所得のいずれの所得にも該当しないから雑所得に該当すると主張して、棄却を求めた。 判決はまず、借入金の債務免除益の所得区分の判断においては、その借入れの目的や債務免除に至った経緯等を総合的に考慮して判断するのが相当であるという解釈を示した。その上で、事実認定を行い、債務免除益が不動産所得、事業所得に当たると認めることはできないとして、原処分庁側の主張を斥けた。 また、一時所得の判断基準となる非継続性要件も、非対価性要件も満たさないものとはいえないと指摘して原処分庁側の主張を悉く斥けた上で、結局、債務免除益のうち不動産所得あるいは事業所得に該当しない部分は一時所得に当たるというのが相当であると判示して、原処分の一部を取り消す判決を言い渡した。(2018.04.19東京地裁判決、平成26年(行ウ)第649号)提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2019.04.08 16:35:09