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課税負担軽減目的の債権放棄に隠蔽又は仮装はないと判断

 課税負担の軽減目的で行った兄弟会社に対する債務引受による債権放棄が事実を隠蔽又は仮装したものか否か、つまり重加算税の賦課決定処分の可否が争われた事件で国税不服審判所は、直ちに債権放棄に伴う経済的利益の額が寄附金には該当しないことから、隠蔽又は仮装した申告とは言えないと判断、重加算税の賦課決定処分を取り消した。

 この事件は、審査請求人がいわゆる兄弟会社の債務を引き受けるとともに、これにより発生した兄弟会社に対する債権を放棄した金額を貸倒損失勘定に計上し、所得金額の計算上損金に算入して、翌期へ繰り越すべき欠損金がある旨の法人税及び復興特別法人税の申告をし、後続事業年度において欠損金を所得金額から控除して申告をしたのが発端となった。

 その後、原処分庁の指摘を受け、債権放棄した金額が寄附金に該当するとして先行事業年度の各税の修正申告をするとともに、後続事業年度の各税の修正申告をしたところ、原処分庁が、債権放棄の金額を貸倒損失勘定に計上したことは隠蔽又は仮装に該当すると判断、後続事業年度の各税に係る重加算税の賦課決定処分してきたわけだ。そこで請求人側が、事実の隠蔽又は仮装はないと主張、各処分のうち過少申告加算税相当額を超える部分の取消しを求めて審査請求したという事案である。

 これに対して裁決は、法人税基本通達9-4-1二十《(子会社等を整理する場合の損失負担等)》によれば、兄弟会社の債務引受等に相当の理由があると認められる場合は債務引受等により供与する経済的利益の額は寄附金に該当しないことから、支援者が課税負担を軽減する目的で債務引受等を行ったことのみをもって、直ちに債務引受等により供与する経済的利益の額が寄附金になるものではないという判断を示した。

 というのも、原処分庁が主張する分割法人整理に係る各事実をもって、直ちに請求人が計上した貸倒損失が寄附金に該当することを認識していたとは認められず、そのような認識があったことを認めるに足りる証拠も認められないからだ。結局、確定申告は事実を隠蔽又は仮装したところに基づくものであるとは認められないと判断、原処分を全部取り消した。

                        (2018.05.31国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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12月9日更新

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 課税負担の軽減目的で行った兄弟会社に対する債務引受による債権放棄が事実を隠蔽又は仮装したものか否か、つまり重加算税の賦課決定処分の可否が争われた事件で国税不服審判所は、直ちに債権放棄に伴う経済的利益の額が寄附金には該当しないことから、隠蔽又は仮装した申告とは言えないと判断、重加算税の賦課決定処分を取り消した。 この事件は、審査請求人がいわゆる兄弟会社の債務を引き受けるとともに、これにより発生した兄弟会社に対する債権を放棄した金額を貸倒損失勘定に計上し、所得金額の計算上損金に算入して、翌期へ繰り越すべき欠損金がある旨の法人税及び復興特別法人税の申告をし、後続事業年度において欠損金を所得金額から控除して申告をしたのが発端となった。 その後、原処分庁の指摘を受け、債権放棄した金額が寄附金に該当するとして先行事業年度の各税の修正申告をするとともに、後続事業年度の各税の修正申告をしたところ、原処分庁が、債権放棄の金額を貸倒損失勘定に計上したことは隠蔽又は仮装に該当すると判断、後続事業年度の各税に係る重加算税の賦課決定処分してきたわけだ。そこで請求人側が、事実の隠蔽又は仮装はないと主張、各処分のうち過少申告加算税相当額を超える部分の取消しを求めて審査請求したという事案である。 これに対して裁決は、法人税基本通達9-4-1二十《(子会社等を整理する場合の損失負担等)》によれば、兄弟会社の債務引受等に相当の理由があると認められる場合は債務引受等により供与する経済的利益の額は寄附金に該当しないことから、支援者が課税負担を軽減する目的で債務引受等を行ったことのみをもって、直ちに債務引受等により供与する経済的利益の額が寄附金になるものではないという判断を示した。 というのも、原処分庁が主張する分割法人整理に係る各事実をもって、直ちに請求人が計上した貸倒損失が寄附金に該当することを認識していたとは認められず、そのような認識があったことを認めるに足りる証拠も認められないからだ。結局、確定申告は事実を隠蔽又は仮装したところに基づくものであるとは認められないと判断、原処分を全部取り消した。                        (2018.05.31国税不服審判所裁決)提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2019.04.02 16:16:40